セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
整骨院勤務から会社経営に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
若林さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
若林さんが鍼灸師になろうと思ったきっかけを教えてください!
自分で判断して施術をおこないたいと思ったことがきっかけです!
私が小学校の頃に、大好きだった祖父が脳梗塞を発症し意識を取り戻したんですが、身体の麻痺が残り日常生活に支障が出るようになりました。私と遊ぶことも難しくなり、加えて声帯にがんが見つかって、会話も難しくなったんです。
そんな祖父の姿を見て、何とかして祖父を助けたいと強く感じ、当初は医師になることを目指していました。
ただ中学生や高校生になり、医師になるのは現実的に難しいなと思うようになったんです。
高校生の頃にサッカーでけがをして整骨院で施術を受け、医師以外に理学療法士や鍼灸師、柔道整復師などの選択肢があることを知りました。
どの資格を取るか迷っていたときに、理学療法士は医師の指示のもと患者さまに関わっていく仕事、鍼灸師は鍼を打つことができる、柔道整復師は骨折などの外傷をみることができると教えていただいたんです。
私は骨折もしたことがなく、骨折に対するアプローチのイメージが湧かなかったんです。誰かの指示のもとではなく、自分で判断して施術をおこないたいと考え、鍼灸師の道に進みました。
若林さんが現在の事業に至るまでの経緯を教えてください!
セラピストの働き方改革と健康寿命の向上につながるサービスを提供したいと考え、整体事業に取り組んでいます!
鍼灸師の資格を取得後、三重県の整骨院で勤務をスタートしました。店舗展開をおこなっていくタイミングと重なり、2年目の頃から院長を担いながら新規出店にも携わってきました。
ただ整骨院は規模を拡大していくものの、患者さまの離脱やスタッフの離職が多くなっていったんです。
その整骨院には5年間勤務していたんですが、セラピストが働きやすくかつ、患者さまの健康寿命向上につながるサービスを提供していきたいと思い、整骨院を退職しました。
今後もっと良いサービスを提供するためにはテクノロジーが重要だと考え、上京し理学療法士の方が代表をされている会社で、ヘルスケアアプリの開発について学んだんです。
海外の方に委託してアプリ開発に取り組んでいたんですが、YouTubeの『令和の虎CHANNEL』に出演した際に「店舗の運営もおこなったほうがいいよ。」とアドバイスをいただきました。
そのアドバイスを受け、2020年の12月に『株式会社NAORUテクノロジー』を創業し、整体院の運営をおこなっています。
若林さんが現在おこなっている事業内容を教えてください!
整体事業やオンラインサロンの運営などに取り組んでいます!
日本では、整体院を51店舗運営していて、海外での店舗展開にも注力し、現在オーストラリアの店舗では、私も現場に立ち施術業務をおこなっています。
元々、5年で100店舗出店することを目標に店舗展開をおこなってきました。そこで、どうしてもスタッフの数が必要となり、どんな人材を採用するのかにはこだわってきました。
また整骨院や整体院では、会社の上層部の人間が施術業務以外の業務が中心となってしまうことが多いんです。つまり現場から離れざるを得ない状況になり、現場との距離感が生まれてしまうんです。
それによって、スタッフとの距離や実際どのように仕事をしているのかが見えず、会社とスタッフの価値観や方向性にギャップが生まれ、離職につながってしまう可能性があります。
私の会社では、会社の上層部も可能な限り施術に入り、上層部と現場スタッフの距離が近いことも、ここまで店舗展開ができた理由だと思います。
整体事業のほかにもオンラインサロンを運営しており、セラピスト向けのセミナーの開催もおこなっているんです。
若林さんが整体事業にかける想いを教えてください!
多くの方に満足してもらえて、必要とされるサービスを提供したいです!
まずサービスを提供するにあたって、価格に対しての価値を提供できているのか。本当に満足していただけているのか。私の友人や家族がお客さまだった場合、満足してもらえるようなサービスを提供できているのか。
常にその視点で活動しています。
また、自分もリピートしたいと思えるようなサービスを提供できる店舗をつくっていきたいですね。そんな私の想いに共感していただける方を採用できると、お客さまの満足度向上や成果にもつながります。
その結果、スタッフにも還元できるようになり、お客さまだけではなくスタッフにも満足してもらえるような事業になると考えているんです。
また海外での店舗展開に踏み出した理由にもなるんですが、これから日本で働くことを不安に思う方が、すぐに海外で働けるような場所をつくりたいと思っています。
海外へ店舗展開をおこなって、スタッフがより安心して働けるようにしたいという想いがあるんです。
日本が震災大国である以上、店舗ビジネスでは震災で店舗がなくなると一生懸命頑張っていたスタッフも働き口がなくなり、会社の経営にも支障が出るリスクがあります。
全国各地に店舗があることで、そのリスクも軽減させることができるんです。だからこそ日本全国、さらに世界で成功していけるとスタッフが安心して働けると考え、店舗展開にも力を注いでいます。
若林さんは今後事業をどのように展開していきたいですか?
5年で100店舗まで店舗展開を進めていきたいです!
まず2026年までに、世界の3~4か国で約10店舗展開をおこなっていきたいと考えています。最終的には、5年間で100店舗出店したいですね。
時間を割ければアプリの開発にも再挑戦したいと考えていますが、今はとにかく日本にいるスタッフの満足度を向上させること。そして、海外での店舗運営の基盤を整え、店舗展開を進めていきたいです。
今後、現場に出ることは減る可能性はありますが、私も施術や患者さまと関わることが好きなので、完全に施術業務から離れることはないと思います。
私の施術姿をほかのスタッフにも見せることで、私の患者さまに対する姿勢や考え方を示していきたいですね。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
これからどう行動するかを常に考えてほしいです!
何か不都合なことがあったときに、自分はついてない、環境が悪い、あの人が悪い、というふうに思うことはあると思います。
ただ、結局これから自分がどう行動するのかがすべてです。技術も大事だとは思いますが、その前提としてマインドも重要です。
そのマインドを持っていたら、どんな状況になっても生き残れると思うので、他責ではなく自責思考を持って行動してください。
若林 大樹(わかばやし だいき)
鍼灸師の資格取得後、整骨院で勤務。院長も担い、部下のマネジメントや店舗運営の経験を積む。その後独立し、現在は『株式会社NAORUテクノロジー』の代表取締役として整体事業を日本だけでなく、マレーシアやオーストラリアなど世界に展開し、多くの方に健康を届けている。