セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
資格取得から鍼灸院経営や経営塾、個別コンサルティング、メニュー導入型フランチャイズに至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
佐々木さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
佐々木さんが鍼灸師になろうと思ったきっかけを教えてください!
母から人と関わる仕事を勧められたことがきっかけでした!
元々、野球やサッカーでのケガで鍼灸院に通っていました。私にとって鍼灸は身近な仕事だったんです。
実際に鍼灸の道を選んだのは、高校2年生か3年生のときでした。
私の通っていた高校は県内でも有名な進学校で、ほとんどの生徒が大学に進学するような学校だったんです。
私も漠然と大学進学を考えていたときに、母親から「あなたは人と関わる仕事をしたほうがいいんじゃない?」と言われたことが、鍼灸の道を選ぶきっかけとなりました。
父親は4年制の大学への進学を熱望していたのですが、私は鍼灸師になるために父を説得して専門学校へ進学しました。
専門学校入学直後に、学校の先生から「10年後に鍼灸師を続けている人間は10分の1くらいだ。」と厳しい言葉を受け、ショックを受けたことを覚えています。
鍼灸師の現場について佐々木さんの感想を聞かせてください!
リーマン・ショックの影響で厳しい現実を感じました!
宮城県仙台市の専門学校を卒業して、東京の鍼灸院に内定をいただいていました。
しかし、リーマン・ショックで日本も不景気となり、内定をいただいていた鍼灸院も運営が厳しくなったようです。一方的に内定が取り消されてしまいました。
当時、私のメンタルが弱かったこともあり、内定取り消しからすべてのやる気がなくなってしまったんです。
4か月くらいフリーターとなり、フラフラしていました。鍼灸師にならなくても良いかなと諦めていたところに転機がおとずれました。
学生時代のアルバイト先の親方さまが、「資格を取ったのにいつまでここでやってんだ!」と喝を入れてくれたんです。
また、「駄目だったらもう1回雇ってやるから早く1回やってこい!」と言っていただき、これがきっかけで、前に進むことができました。
しかし、リーマン・ショックで就職先がなく、鍼灸を使わない訪問マッサージの会社に入職しました。これが、初めての現場となったんです。
10年ほど仕事を続けたんですが、ほとんど鍼灸をすることがなく、やはり鍼は終わっている技術なんだなと感じてしまったんです。
佐々木さんの活動のきっかけについて教えてください!
仙台で東日本大震災に被災したことが大きな転機となりました!
活動に至るまでの経緯は、複数あります。
最も大きな転機は、東日本大震災です。社会が機能しなくなり、さまざまな場所で影響が出ることを感じました。
また、母親の大病や父親の会社のテナントが大雪でつぶれてしまうなど、困難が自身の活動を始めるきっかけとなったんです。
震災もあり多くのことに責任感が芽生え、勤めていた会社に想いを伝えました。そのやる気を認められて、マネジメント業をおこなえるようになったんです。
経営を含めたマネジメント業に注力していたものの、せっかく取得した鍼灸師の資格を利用していないことに違和感を感じていました。
また、父親の実家である秋田で何かをやりたいという想いを持っていたので、事業を立ち上げようと決意したんです。
事業の立ち上げを勤めていた会社に相談したところ、秋田への新規事業所の提案がありました。
現在の佐々木さんの事業について教えてください!
東北地方での美容鍼のサロンブランディングです!
美容分野や鍼灸分野へもチャレンジしたいという想いがあったので、マネジメント業務を行いながら継続して勉強していました。
そして秋田で開院して気づいたのは、美容のニーズがたくさんあるということだったんです。
東北地方では、人口の多い仙台市で事業が成長できるという考え、会社に熱意を伝えて新規事業を立ち上げることになりました。
訪問事業で施術していたときに気づかなかったのですが、自費診療の大変さを痛感しました。
価格設定やリピートの重要性を感じて、経営を学ぶために経営塾に入ったんです。経営を学びながら、今後の成長が期待できる美容鍼に注力しました。
美容鍼の施術メニューも自分で考案し、施術方法の商標も私自身で取得したんです。全国の鍼灸への私が作成した美容鍼の施術メニューの導入を支援させていただいています。
佐々木さんの鍼灸に込められた想いを教えてください!
鍼灸で日本を元気にしたいです!
現在は鍼灸院の経営や鍼灸院の経営塾、施術メニュー導入型フランチャイズ、企業のマネジメント業務などさまざまな事業を行なっています。
その根本のテーマとして、鍼灸で日本全体を盛り上げて元気にしたいと考えているんです。
健康や美容で困っているお客さまや患者さまはもちろんのこと、鍼灸師自体も元気になって活動してほしいと思っています。
この5年間で、鍼灸への価値感がすごく変わってきたんです。現在は鍼灸はとても素晴らしいなと感じています。
佐々木さんの今後の展望について教えてください!
悩みを解決する手段として、鍼灸がゴールになるようにしたいと考えています!
美容や鍼の施術、不妊、自律神経、頭髪など鍼灸のできる範囲は本当に幅広いんです。
マーケティングやブランディング、プロダクトなどの売り方を鍼灸師が分かっていないので、お客さまも患者さまも選びにくくなっている状況を解決するお手伝いがしたいんです。
ただ、地域によってすべての施術メニューがマッチングするとは限りません。そこで今まで培ってきたマーケティングやマネジメントが生かされるんです。
成功した鍼灸院が増えれば鍼灸師は幸せに慣れますし、そのお客さまや患者さまも喜べるサービスをより多く受けられる。これが日本を元気にするということにつながるという想いがあります。
鍼灸だけだと敷居が高くなってしまいますが、美容やダイエットを入口に鍼灸を気軽に受けていただけたら敷居を低くできるんです。
お客さまや患者さまの悩みを解決する手段として、鍼灸が最終的なゴールになるようなマーケティングを行なっています。
鍼灸師は鍼灸のみという考え方ではなく、悩みを解決する一つの手段なんです。ほかの素晴らしい技術や知識もあるけれど、新しい鍼灸師の概念をつくりたいと考えています。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
鍼灸師は、本当に素晴らしい仕事です!
鍼灸は、身体を傷をつけているのにお客さまや患者さまから喜ばれるという不思議な仕事です。
傷つけているのにお客さまや患者さまから喜ばれて、「ありがとう」と言われる仕事はなかなかないです。
今、私がおこなっている仕事には誇りを持っています。ここ5年くらいは、自分の人生の可能性が大きく変わったと実感できるほど仕事が楽しいんです。
鍼灸師は、人が好きで相手のための助けになりたいという気持ちをもった方におすすめの仕事です。
自分の人生をもっと楽しみたいと思っている方には、鍼灸師は選択肢としてありだと思います。
佐々木 勇太(ささき ゆうた)
鍼灸師の資格取得後、訪問マッサージにて10年勤務。現在は鍼灸院経営や経営塾、個別コンサルティング、メニュー導入型フランチャイズなど幅広く行なっている。