セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
理学療法士として勤務しながら出張型エステをスタートするに至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
石井さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
石井さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
身体に対して幅広く対応できる点に魅力を感じたからです!
部活動で関わってくれていたトレーナーが、テーピングを巻く姿や指導する姿に憧れていました。
その方がトレーナーと理学療法士のダブルワークの方法があることを教えてくださったんです。
一時期トレーナーにも興味があり、知人の紹介でオリンピック選手をみているトレーナーのもとへ行き、臨床現場や学校で教育指導をおこなっているところを拝見させていただきました。
一方で、理学療法士は動作分析ができて、日常生活においての直接的な悩みなど身体に関係する幅広いことに対応できる点が圧倒的な強みだと気づきました。
それが理由で、トレーナーではなく理学療法士を目指そうときめたんです。
理学療法士になってみて感じたことを教えてください!
現実と理想とのギャップやもどかしさを感じましたね!
私は現在も回復期病棟に勤務し、脳卒中の患者さまやご高齢の方を多くみています。
しかし就職するまでは、患者さまの大半がスポーツでけがをされた若い方だと思っていましたが、実際に働いてみるとご高齢の方が多かったんです。
若い方と比べてご高齢の方には、介入の幅や身体の回復度合いにも限りがあります。
病院で勤務する前はスポーツに取り組んでいる若い方を中心に介入していきたいと思っていたので、正直ギャップやもどかしさを感じていましたね。
石井さんが今の活動に至るまでの経緯を教えてください!
自分が受けて効果を感じたものを、私も提供したいと考えたからです!
私はフィットネス競技に取り組んでおり、2020年頃にトレーニング中に肩甲骨のけがをしてしまったんです。
その際に自分の身体に電気を流しながら、施術者の手を介してお客さまの身体に施術をおこなう『ハンドセラピス』のサロンを紹介していただきました。
実際に施術を受けたところ、けがの治りがとても早かったんです。
なおかつ自律神経にもアプローチするので、減量末期でストレスがかかっていたときも身体の調子が改善されるだけでなく便通も改善されて、その効果の高さに感動したんです。
顔用の施術もあると聞いたので妻にも勧め、妻も施術を受けたところ顔がリフトアップしたと、とても喜んでいました。
その後、妻のほうから「私もハンドセラピスの資格を取りたい」と言ってくれたんです。費用面も2人で資格を取ったほうがメリットが大きいという結論になり、夫婦で資格を取得しました。
石井さんの活動に対する想いを教えてください!
施術を通して、身体への理解を深めて普段の生活を少しでも快適に過ごしてほしいです!
仕事や物価上昇などの不安定な経済、SNSが普及し他人と自分を比較し自己嫌悪に陥りやすい環境など、現代は非常にストレスがたまりやすい社会です。
このような社会ではどうしても自律神経が乱れ、不安や抑うつ感など精神的な負担も大きくなります。
そういった方々に、施術を通して身体全体の調子を整えていきたいという想いがあるんです。
自身の身体の状態を理解し受け入れ、改善することで気持ちも楽になった状態で社会生活を送ってほしいと思っています。
自分の身体を深く知ってもらい、自身にあったセルフケアをおこなうことで、快適な生活を長く送ることができるはずです。
それを実現するためには時間が必要で、患者さまがまた私たちに会いたいと思ってもらえるような施術を提供する必要があると思っています。
石井さんの今後の展望を教えてください!
店舗を持ちたいというのが第一の目標です!
私はまだ店舗を持っておらず、レンタルサロンを借りて施術しています。予約が入ったときには総重量約20kgの道具をリュックに入れて移動しているんです。
実際に準備も30分程度かかるので、移動にも体力を消費し身体にも大きな負担がかかっています。
お客さまから急に「この日に施術をお願いできますか」と依頼されたときに、レンタルサロンを探すのも大変です。
だからこそ、より多くの方に施術を提供するために自分のお店を持ちたいと考えています。
THERA-FILを通して伝えたいことを教えてください!
みなさんには今後のためにもたくさん勉強してほしいです!
理学療法士だけでなく医療の界隈でよくあるのが、臨床年数で優先されてしまうことです。
圧倒的に勉強会へ出て勉強している後輩よりも、臨床年数が長い先輩の意見のほうが優遇されてしまうことがあるかもしれません。
その現状にモヤモヤしている方に伝えたいのが、理学療法士が活躍できる場所は病院だけではないということです。
理学療法士は人がけがをしたとき、何が原因でどこに痛みが出てるのかという評価をし、そのうえで問題点を考えて治療プランを作成し介入します。
そのようなPDCAサイクルを回しているという点では、理学療法士だからほかの仕事とは全く違うということはなく、共通点も多いんです。
だからこそ、理学療法士は病院だけがすべてではなく、ほかのことを掛け合わせて何か新しいものを実現できる。可能性は無限大なんです。
勉強の習慣をつけることは、今後の人生において自分で起業や何かにチャレンジする際に、必ず自分に良い形で返ってくると思います。
向上心を持って常に勉強し、自身の能力を伸ばしていきましょう。
石井 健太郎(いしい けんたろう)
理学療法士の資格取得後、回復期病棟に就職。自身のけがをきっかけに、『ハンドセラピス』と出会う。身体と心の健康がそろった生活を送ってほしいという想いから、現在は病院での勤務しながら、2023年7月より出張型エステ事業をおこなっている。