セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
作業療法士からコンサルティング事業をはじめとする複数事業を行うまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
小林さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
小林さんはどうして作業療法士を目指そうと思ったんですか?
介護士の母の勧めで、作業療法士が行う介入を見学したことがきっかけです!
私の母親は介護士の仕事をしているんですが、その母から作業療法士の仕事を勧められたのが最初のきっかけでした。
当時高校生だった私は、進路を決めなければならない時期に差し掛かっていました。
ただ、「進路を決めなさい」と言われても、進学しても何かしたいことがあったわけでもなかったんです。高校のサッカー部に所属していた私の先輩が、外国語大学に進学した方が多かったので、私もなんとなく英語を話せることがとてもかっこいいなと思い、私も英語を話せるようになりたいと考え、外国語大学に進学しようとしていました。
しかしふと、英語を勉強して何がしたいのか、話せるようにはなりたいけど将来どう生かすのかを全く考えていなかったなと振り返るタイミングがあったんです。
将来どうなりたいのかをちゃんと考えずに、かっこ良さそうだからという理由で英語にお金と時間を使うのはもったいないなと思いました。
そうしてやりたいことがまたなくなってしまったなと思ったときに、母から「一度私の職場に見学に来てみたら?」と提案されたので見学しに行き、そこで初めて作業療法士が行う介入の現場を目の当たりにしたんです。
小児の患者さまの介入を見学していたときに、私も母も側から見て作業療法士の介入が遊んでるようにしか見えなかったんです。しかし、そこには介入の根拠や意図があることを作業療法士から伺いました。
それを聞いて奥深い世界だなと感じ、だんだん作業療法士の仕事に興味を持ち、目指すことを決めたんです。
臨床に入ってみてどう思いましたか?
最初は楽しかったですが、次第に自身の力不足を痛感しました!
現場に出て最初のころは、楽しいという感覚が強かったです。
臨床1年目の頃はあまり勉強もせず、同期の子にも「小林君ほんとに勉強した方がいいよ」と言われていたほどでした。それでもやっていけていたのは、20歳そこそこの若い男性セラピストが担当になっても優しい患者さまが多かったのが大きいですね。知識や技術が多少無くてもかわいがってくださっていたからでした。
ただ1年目の終わりからたくさんの患者さまを担当することになり、そのなかには脳卒中で重度の麻痺がある方や、移乗や体位変換などで介助量が多い方などがいらっしゃいました。
次第に患者さまの求めていることが、身体の機能を改善させることだということだと理解し、それに焦点を当てて考えるようになったとき、私は患者さまに何もしてあげられていないことに気づいたんです。
勉強もしていなかったので、先輩のやり方をただ真似をしたリハビリ風のことしかできていなかったんです。本当に良くなりたいと強く願う患者さまの期待には応えられず、信頼関係を築くことも難しくなっていました。
そこでやっと気づいたんです。このままではいけないということに。それ以来、何か少しずつ勉強しないといけないなと思って、2年目以降は本格的に勉強をしました。
小林さんがコンサルティング業を始めるに至った経緯を教えてください!
ビジネスの基礎を教えてくれた恩師と出会ったことがきっかけです!
学生時代からあまり勉強が得意ではなかったんです。
ただ、大学を卒業したときに1つ思っていたことがあって。私より勉強ができる優秀な方が大学にも大勢いたんですが、就職したら私が全員追い抜いてやるということでした。
どうしたら学生時代の同級生を追い抜けるかなと考えていたときに、真っ先に浮かんだのがセミナー講師でした。ただ、どうすればセミナー講師になれるのか分からなかったので、2年目以降はひたすら臨床に関する勉強をしていたんです。
そのなかで、よくセミナーに参加していた脳外臨床研究会という団体の運営の方から声をかけていただいて、臨床5〜6年目のときにセミナー講師としての活動を始めることになりました。
しかし、ずっとセミナー講師になりたいと思っていたのにも関わらず、実際にセミナー講師をやってみると何か違うなという違和感があり、セミナー運営も初めてだったので、集客には特に苦労したんです。
団体の母体がある大阪近辺でセミナーを開催すると50人程集まるんですが、私が和歌山でセミナーを開催すると20人程度しか集まりませんでした。
とてもショックを受けて・・・
自身がいかに集客力がないのかを痛感しました。
そこで自身の武器を手に入れたいと思い、セミナー講師を一旦きっぱりやめて、元々興味があったコーチングを習い始めたんですよ。習い始めた頃は納得して学んでいたんですが次第にコーチングはある意味無責任のように感じてしまい、コーチングも辞めました。
そんなとき偶然にも知人が紹介してくれた方が、1から私にビジネスとは何か、集客とはなんなのかをビジネススクールでいろいろ教えてくださったんです。
あるときにその方から「一緒にスクールの運営をやりませんか。全部僕が教えるので一緒にやりましょう」というふうに声をかけてくださったんです。
最初は何も分からなかったので、逐一その方に聞いて教えてもらっていました。
そのときに、自分にもできるんだ、おもしろいなと思ったんです。
集客とは何か、ビジネスとは何なのかについて何も知らないレベルからスタートしたんですが、それでも約3か月ほど経過したときに初めて自分で契約を取ることができました。
ビジネスは、生まれ持った才能やセンスによるとイメージしていたんですが、これは試行と改善を繰り返していくとスキルは身につき、どんどん上達し実際に使える形になると気づいたんです。
小林さんが現在取り組まれている活動について教えてください!
コンサルティング業からイベントの主催などさまざまな活動に取り組んでいます!
現在は、コンサルティング業、異業種交流会の運営、陸上選手のコンディショニングなどのほか、さまざまな活動に取り組んでいます。
医療関係や福祉関係の方専門で6名ほどコンサルをしており、和歌山県の医療や福祉関係の方限定の異業種交流会も運営しているんです。また趣味に近いですが、サロンを開いて私が相談に乗って、その回答を1000文字ほどの記事にして毎日送っています。
最近ではコンディショニングチームをつくり、大阪のマスターズの陸上記録会などでコンディショニングを目的とした施術を無料でおこなっています。
今後、その活動を事業化しようとしていて、コンディショニングサロンのような活動を2023年の間に始められるように事業の内容を話し合うなど準備をしている最中です。
ほかにも『一流』という一流の方や一流のサービスを掲載していくWebメディアがあり、そのサポートという形で入るなどさまざまな活動に挑戦しています。。
小林さんが独立した理由や背景にある想いを教えてください!
夢のある仕事をしたいと思っています!
独立していきたいと思った理由は、お金が理由でやりたいことができない生活を送りたくないと思ったからです。
作業療法士として勤務していくなかで、将来どれくらいの収入を得ることになるのかみえてきたんです。病院内でトップに立ったとしても自分が求めている金額のお給料を頂くことは難しいなと感じました。
ただ、私はすごく悔しいんです。リハ職に限らず医療業界は頑張ってる方が報われにくいシステムだと感じていて・・・頑張って勉強すれば勉強するほど、患者さまに貢献できて、感謝されることも多くなります。
その一方で、支出は増えていき自由に使えるお金が少なくなるので、この仕事には本当に夢はあるのかと疑問に思ってしまったんです。もっと夢のある仕事をしたいと思い、独立することを決めました。
私自身は特に物欲はあまりないですが、私やスタッフの家族が買いたいものが買えない、行きたい場所に行けないなど、お金を理由に諦めてほしくないという想いが強いんです。
お金があるから何でも好きにすれば良いとは思いませんが、お金があることで選択肢の幅が広がると思います。
また私は、後輩のやりたいことや夢を聞くことがすごく好きなんです。昔は言葉にするだけで、私はそれを実現させることができていなかったんですが、今は知識や経験もついてきて私自身のやりたいことをどんどん実現させていき、その背中を後輩に見せたいという想いがあります。
何か目標や夢がある方に対して私にできるサポートをしてあげたいなと思いますし、そういう方がどんどん増えていってほしいと思っています。
小林さんの今後の目標を教えてください!
おもしろいと思ったことにどんどん挑戦していきたいです!
現在おこなっているコンサルティングの仕事や、コンディショニングサロンの立ち上げも私がおもしろいと思ったからこそやっているだけなんですよ。
おもしろいなと思ったことを事業化して、しっかりとお金が生まれるような形にしたいですね。
そして、私や共同で一緒に取り組んでいる仲間、そしてお客さまも含めて全員がWin-Winの形になるようにしていきたいと思っています。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
失敗してもいいので、挑戦を止めないでほしいです!
唯一よかったなと思ってることは、自分がやりたいと思ったことへの挑戦を止めなかったことなんですよ。失敗ばかりで成功もできていなかったのにも関わらず10年もよく挑戦し続けてきたなと思います。
なぜ止めなかったかというと、挑戦を止めたら今までの努力が無駄になるという想いや、投資してきたお金がすべて浪費になってしまうという想いがあったので、諦めずに行動を続けてきたんです。
特別な才能もなく能力もなかったので、これまで全然うまくいきませんでした。
それでも今は、少しずつ花開いてきていろんな方と仕事をしたり、さまざまな活動ができるようになり、ようやく形になってきたんです。
これまで数々の失敗をしてきて思うのは、失敗は人としての深みをもたらしてくれるということです。成功と失敗の両方を経験してその経験の幅が大きければ大きいほど、人としての魅力が上がっていくと思うんです。
だから皆さんも、失敗をたくさんしてもいいのでやりたいことのために挑戦を止めないでください。
\小林さんのインスタはこちら/
小林 崇(こばやし たかし)
作業療法士の資格取得後、作業療法士として13年の臨床現場を経験。
セミナー講師やコーチングなどこれまでさまざまなことに挑戦。
恩師との出会いからコンサルティング業を始める。
おもしろく興味を持ったものに対して挑戦を続け、現在は幅広い分野で活動中。