【安田 彩夏 / 理学療法士】医療職がワクワクできる仕事づくりをしたい!

【安田 彩夏 / 理学療法士】医療職がワクワクできる仕事づくりをしたい!

安田 彩夏(やすだ あやか)

理学療法士の資格取得後、老人保健施設や病院での勤務を経験。
退職後、企業の広報としてさまざまな分野で活躍する理学療法士と出会う。
越境体験を通じて新たな自分のキャリアに出会い、現在はPT-OT-ST.NETを中心にWebライターや養成校の特別講師として活躍中。
令和6年度島根県奥出雲町の地域おこし協力隊にも着任。

THERA-FIL

セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。

THERA-FILって何のメディア?
THERA-FIL

病院勤務から企業の広報や学生支援に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。

安田さんFilmを覗いてみましょう。

安田さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!

安田 彩夏

自分らしく生きられなくなった方をサポートしたかったからです! 

私が高校生の頃、進路を決める際に自分のことについて振り返ることがありました。

幼少期から肩揉みを親に褒められたことを思い出し、手を使った仕事をしたいと想いがあったんです。

母から「何のために手を使った仕事がしたいの?」と聞かれた際に、自分らしく生きられない状態になった方を助けるために自分の手が役に立ったらいいなと考えました。

人は病気で身体が不自由になるだけでなく、心の元気がなくなる場合にも、身体が思うように動かず外に出ることすらできなくなります。

人が自分らしく生きるためには、最低限身体を動かしたり、自分の意思で生活したりできることが必要です。

身体が不自由になった方の基本動作を取り戻すことで、それからの人生を再び自分らしく歩み出せるようにサポートがしたいと思い、理学療法士を目指しました。

理学療法士として勤務してみてどうでしたか?

安田 彩夏

新卒から病棟ではなく老人保健施設に配属され、ギャップはありましたが利用者さまの変化から理学療法士としての誇りを持てました!

私は病院に就職する際に、回復期病棟の配属を希望していたんです。しかし実際には、老人保健施設に配属されました。

老人保健施設で働いた期間は短かったのですが、そこで出会ったある利用者さまを担当したことで理学療法士になってよかったと思うことができたんです。

担当したのは90代の女性(Aさん)で、Aさんが好きな歌をリハビリごとに私が歌い、聞いてもらっていました。

Aさんは体力も低下していたので、話す機会もほとんどなかったのですが、ある日、急にその歌を口ずさんでくださり、驚きとともにとても感動したのを今でも覚えています。

毎日少しずつその方のために関わっていくことで、これだけ大きな変化を起こす可能性を秘めているんだと実感しました。

安田さんが現在の活動に至った経緯を教えてください!

安田 彩夏

学生のキャリア支援や広報の仕事を経験し、現在はライターとして活動しています!

新卒で入職した病院では2年間、老人保健施設や回復期病棟などの部署で勤務していたんです。

17歳の頃から憧れていた理学療法士として実際に働くことができ、充実した日々を過ごしていたのですが、どうしても周囲との温度差を感じていました。

職場では得られない学びを求め、興味を持った勉強会に積極的に参加し、そこで初めて尊敬する方に出会ったんです。

その出会いを経て、自分が変わらなければ何も始まらないことに気づき、自分をもっと成長させるために病院を退職することにしました。

退職後は、ご縁があり医療系IT企業の広報として勤務し、広報の仕事を通じて素敵な理学療法士の方々にたくさん出会うことができたんです。

先人のキャリアや経験を知ることで、キャリアに悩む医療職に対して多様な働き方がある事例を提示したい。

それによって悩みを解決する手助けをしたいと思い、ライターとして独立したんです。

安田 彩夏 本

コロナ禍で実習中止、人との接触ができない学生の状況に危機感を覚え、何かできないかと考え、医療職のインタビューをまとめたキャリア本をつくろうと決めました。

そこで、クラウドファンディングを実施し、2022年の5月に『医療者の生き方・働き方』という本を制作・販売することになったんです。

この経験を経て、働き方や生き方に悩んだ医療職の力になりたいと思い、活動しています。

安田さんの現在の活動や今後の展望について教えてください!

安田 彩夏

ライター活動をはじめ、移動販売スタッフや養成校の講義アシスタントをおこなっています!

現在はPT-OT-ST.NETでライティングやイベント企画をおもに担当しながら、島根県奥出雲町のまちづくりに関わっているんです。

安田 彩夏 まちづくり

地域活動では、島根リハビリテーション学院の地域フィールドワークのサポートや、まちの暮らしを支えるNPO法人「ともに」で移動販売のスタッフとして活動しています。

都市部の学生や医療職の方にとって、人口減少・高齢化問題を20年以上前から経験しているまちでの学びは貴重なものとなるはずです。

これからは、奥出雲町で医療職のための学びや越境体験を生み出すプログラムを創出したいと考えています。

そのためにも、滞在できる宿泊施設の立ち上げに関わっており、日々古民家のリノベーションに取り組んでいるんです。

安田さんが事業に込めている想いを教えてください!

安田 彩夏

学生や医療職の方が自分らしくワクワク活動できるきっかけづくりをしたいです!

学生のなかには、理学療法士になりたくて養成校に通う方もいればそうでない方もいます。

理学療法士の資格をとったうえで、さまざまな活動の仕方があることや、学生時代に勉強だけでなく社会経験やいろいろな環境で暮らしを学ぶ機会を提供したいです。

安田 彩夏 事業

またこれからの働き方、生き方に悩む医療職にとっても、今自分が見えているものより1歩広い世界を見てほしいと思っています。

そして、さまざまな体験をすることが悩みを解決する一助になるのではないでしょうか。

地方での暮らし、医療の在り方、制度や文化の違いなど、楽しみながら学べるプログラムを構築し、一緒に学び・笑い・成長できると嬉しいです。

THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?

安田 彩夏

理学療法士の資格をどう活用するかは自分次第!

今、悩んでいることをすべて環境のせいにしているとしたら、少しだけベクトルを自分に向けてみてはどうかなと思います。

かつての私は、職場や周りにいる人のせいにしてばかりいたんです。

ですが、自分が変わらないことには、納得のいく状況はつくれないと気づきました。

最後に決断した自分を誇れるような自分で在りたい。もしそう思ってても、1人では決断しづらいという方がいたら、誰かに相談してみてほしいです。

理学療法士として培ってきた知識や経験は、臨床でしか生かせないというわけではありません。

ゼロから1人で考え創ろうとせず、まずは経験者の話を聞いたり、自分の考えを人に話したりすることから始めてみると、必ず応援してくれる仲間ができるはずです。

レールを外れた選択をすることに不安を抱く必要はありません。私みたいな方がいることで少しでも励みになれば幸いです。

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