セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
physioの資格取得後、クリニック勤務から医療英語の指導に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
SakuraさんのFilmを覗いてみましょう。
目次
Sakuraさんがオーストラリアで理学療法士の資格を取ろうと思ったきっかけや働いた感想を教えてください!
オーストラリアでの知名度が高く、physioに憧れていたからです!
私はもともと日本に住んでいて、13歳からオーストラリアで生活しています。
オーストラリアでは、physio(オーストラリアの理学療法士、physiotherapist)の知名度が高く、とても人気があるんです。
日本で「理学療法士です」と伝えると「どんな職業ですか?」と聞かれることもありますが、オーストラリアでは違います。
自分がけがをしてphysioにお世話になった経験はないんですが、素直にかっこいいなと憧れていたので、physioになることを決意しました。
また、日本の理学療法士と違う点として、physioには診断権があるんです。
患者さまをみて、アセスメントから診断をつけ、現在の身体の状況を説明し、アプローチをおこなうというプロセスを踏みます。
そのプロセスをすべて自分でおこなえることが非常に楽しいですね。
オーストラリアと日本の理学療法士の違いや医療システムの違いについて教えてください!
理学療法士にも診断権があり、大きな責任が伴うことです!
日本では、患者さまが各症状に合った診療科へ行き、必要があればリハビリの処方箋が出て理学療法士が介入する流れがあります。
一方、オーストラリアでは内科系疾患の場合は医師、肩が痛かったり、腰が痛かったりなどの運動器系の症状がある場合はphysioのもとへ行くことができるんです。
もしくはGP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医を受診し、必要に応じて専門医やphysioを紹介する場合もあります。
日本では医師の責任下で介入しますが、オーストラリアでは診断から施術までおこなうのでphysioにも大きな責任があるんです。
実際、オーストラリアのphysioは診断権があるので、骨折やそのほか私たちではみることができない疾患を見逃してしまった場合など、万が一の場合に備えて、保険料を月々支払うことで保険金で対応できるようにしています。
診断権がある一方で、責任が伴うことを常に意識しながら仕事をしているんです。
Sakuraさんが現在おこなっている活動について教えてください!
セラピストやスポーツトレーナーなど海外で看護師を目指す方を対象に医療英語を教えています!
physioとしては、オーストラリアで1年半クリニックで働き、現在はイギリスで活動しており、臨床経験としては3年目です。
そのほか、情報発信をおこなっています。もともと発信はずっとしたいなと思っていたので、どのような内容で情報発信しようかと考えていました。
私の持っているスキルを考えたときに、医療分野の知識と英語、日本語ができるなと思い、『医療英語』についての発信を始めたんです。
正直に言うと、当初はこんなの人気がないのではないか、誰もみてくれないのではないかと不安でした。
しかし実際始めてみると、思っていたよりも需要があったんです。人気も出て、取り組んでいるうちに楽しくなり、発信が求められていることも嬉しかったので、頑張る動機づけになりました。
現在は、オンラインマンツーマンで医療英語レッスンをおこなっています。
お客さまは、海外で鍼灸師やスポーツトレーナーとして働きたい、看護留学に行きたいなど日本人で海外で活躍したいという想いを持つ方が多いです。
教科書に載っていることだけではなく、実際に臨床現場で使えるフレーズも入れ、実践的な医療英語を伝えることを意識しています。
Sakuraさんの現在の活動への想いを教えてください!
日本人としてのプライドを持ってほしいです!
日本に住んでいる方に医療英語を教えるなかで、日本に対しての危機感を感じている方が多い印象です。
もう日本を出たほうが良い、海外で生活するほうが今後はいいのではないかという意見をよく耳にします。
私は日本に住んでいませんが、海外では日本人というだけで好印象を持たれることも多いです。だからこそ、もっと日本人としてのプライドを持って良いと思います。
日本で医療従事者が安心して働き続けるためには、現行の医療システムを変えないといけないのではないかと考えているんです。
実際にオーストラリアでは、1人の方のスピーチがphysioに開業権と診断権を与えるきっかけをつくったと言われています。
日本では保険制度もあるので、すぐにとは難しいかもしれませんが、最終的には医療システムを変えたいですね。
どうしたらそれができるのかはまだ模索中ですが・・・
Sakuraさんの今後の活動について教えてください!
今はとにかく行動していきたいと思っています!
今は行動するということを意識しているので、正直今後の具体的なプランは考えていないです。
ただ、毎日少しでも何かに挑戦し、自分が少しワクワクし、学び、成長できると思える方向に進んでいきたいと考えています。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
プライドを持って仕事に取り組んでほしいです!
理学療法士はとても良い仕事です。
英語で『Doctor saves lives、 physio gives life』、日本語では医師は命を救う、理学療法士はその命に意味を与えるという言葉があります。
私は、やりたいことをできるようにすることが理学療法士の役割だと考えているんです。
人は身体を思いどおりに動かせなければ、日常生活を送るうえで困ります。やりたいことを実現するためにもそれが大きな障壁となる場合が多いです。
理学療法士は、基本的な動作を取り戻すための介入をおこない、自分らしい生活を送るための支援ができるとても誇れる仕事だと思います。
ほかの職業と比べると給料が低いという話もよく聞きますし、給料が高いほうがプライドを持ちやすいかもしれません。
ただ、理学療法士の仕事の内容が非常に意義のあるものなので、皆さんには自信とプライドを持って仕事をおこなってほしいです。
Sakura Best
オーストラリアでphysioの資格取得後、1年半クリニックで勤務。現在はイギリスに拠点を移し、海外で活躍したいと願う日本人に向けて医療英語の指導をおこなう。日本人、そしてphysioとしてプライドを持ち仕事に取り組んでいる。