セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
公務員から資格取得、鍼灸院経営と経営コンサルを行うまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
三樹さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
三樹さんが鍼灸師になろうと思ったきっかけを教えてください!
薬では治らない病を身をもって経験したことがきっかけです!
元々は建築系の公務員として働いていました。しかし、配属された部署の業務が忙しく、心身ともに不調をきたすようになり、心療内科に通院するようになったんです。吐き気や動悸といった今まで経験したことのないような症状に悩まされていましたが、処方される薬を飲んでも一向に改善されず、焦りを感じていました。
結局仕事を休職し、自分の症状を改善するにはどうしたらいいかを考えていたときに、東洋医学という選択肢にたどり着きました。症状はある程度休職することで落ち着いたのですが、その頃から鍼灸師という職業に興味を持ち始めたんです。
学生時代にバスケをしていて、接骨院によくお世話になっていた経験もあり、柔道整復師や鍼灸師といった仕事には馴染みがありました。安定した公務員という仕事を手放す決断がなかなかできなかったんですけど、過去の私と同じような人が治せる仕事ができたらと思い医療の世界に飛び込む決意をしたんです。
なかでも鍼灸師になろうと思った最後の決め手は漫画の『NARUTO』でした。小さい頃から針やチャクラを使う忍者に憧れもあったんです。子どもの頃からの夢を叶えられました(笑)
実際に鍼灸師になってみてどうでしたか?
みんなバラバラの治療法をおこなっていて、誰から学んだらいいかわからなかったですね!
鍼灸師の資格を取得する前から治療院で3〜4年アルバイトをしており、鍼灸師の資格を取ってからは正社員として働き始めました。アルバイトのときから気になっていたんですが、20名ほど在籍していたスタッフがそれぞれの治療をおこなっていて、治療内容が統一されていませんでした。
私は自分の治療の軸が欲しくて、資格取得後に治療院で働きながら北里大学の卒後研修制度を利用して1年間研修に参加したんです。
週6で出勤して週1で研修という休みなしの1年間というものすごくハードで、人生で一番大変でした。後にも先にもあの1年間を超えるようなきついことはないんじゃないかなと思います。
三樹さんが現在の事業を始めるきっかけはなんですか?
新型コロナウイルスの影響で海外で仕事をするのを諦めたことがきっかけです!
ワーキングホリデーを利用してニュージーランドで働く日本人鍼灸師の仕事を見学したり、豪華客船で鍼灸師として働けることを知っていたので、海外で働きたいという意欲があったんです。
ワーキングホリデーのビザを31歳までに取得する必要があり、治療院で勤務して2年目のときに退職を伝え、3年目のときから英語を本格的に勉強していました。
いざ退職してニュージーランドに行こうと思っていた矢先に、新型コロナウイルスが流行し、ニュージーランドに行くことができませんでした。海外に行くために治療院も退職していたのでどうしようと途方に暮れていたんですが、ふとそれなら開業しようという気持ちが出てきたんです。
それがきっかけで自身の鍼灸院をオープンしたんですが、開業初期はちょうどコロナのタイミングで、チラシなどを配り集客が大変でした。集客に困っていたときにSNSで1人治療院に特化したコンサルティングをおこなっているのを目にしました。
そのコンサルを受講してみたのですが、それが非常に良くて売上が安定したんです。
その経験を生かして、売上で悩む鍼灸師の方のサポートに挑戦してみたいと思うようになりました。
三樹さんの現在の事業について教えてください!
鍼灸院の経営をしながら、経営のコンサルティングをおこなっています!
私の鍼灸院では、自律神経×筋膜にスポットを当てて、さまざまな治療法を試しても改善しない方に寄り添える治療院を目指して活動しているんです。
2023年からは、開業当初の私と同じように鍼灸師として集客に困ってる方のサポートをおこなっています。
また自身の鍼灸院のリピート率が2022年には95%を達成した経験を生かして、長期のリピートに特化したコンサルティングをおこなっています。
コンサルティングを通してお客さまのためになりたいという熱量をもった鍼灸師の方を増やしたいんです。その熱量がうまく伝わればリピーターになると思います。その経営手法を伝えています。
また鍼灸院を開業してから、ノルディックウォーキングインストラクターの資格を取得しました。ノルディックウォーキングは、足腰を鍛えるというよりパフォーマンスの向上や姿勢を意識することにもつながるんです。
自分自身で健康管理をできる患者さんを増やしたいという想いがあるので、ノルディックウォーキングを通して「姿勢を整える価値」を伝えられるようなウォーキングイベントを定期的に開催しています。
鍼灸師は東洋医学にも精通しているので、メンタル面も重要視しています。だからこそ座禅会や瞑想会にも今後挑戦してみたいなと考えています。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
鍼灸師は私にとっての天職です!
鍼灸師はすごく魅力的な仕事で、選んで良かったと思っています。
私が専門学校に行く前は、自然の摂理に反した生活をしていたので、身体の不調を多く抱えていたんです。専門学校で東洋医学について学び、自身の身体を管理することにもつながりました。
自分が健康な身体になれたからこそ、今度はお客さまから先生みたいに健康になりたいと憧れられるような存在になりたいですね。
また現役の鍼灸師や鍼灸師を目指す学生の方に、痛みの治療だけがすべてではないことを知ってほしいです。鍼灸師は体質改善や精神面のケアなど適応疾患がとても多く、そういったお客さまに貢献して喜んでいただける最高の職業だと思っています。
今の時代だからこそ、鍼灸師は求められる職業だということを伝えていきたいですね。
三樹 仁(みき ひとし)
公務員から一念発起し鍼灸師へ。資格取得後は店舗事業と
経営コンサルティング事業のダブルワークにて活動。
お客さまのためになりたいという熱い想いを持つ鍼灸師を増やし、
その方々のために力になりたいという想いを胸に活動中。