セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
病院勤務をしながら病院外やオンラインサービスなどの活動をおこなうに至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
中島さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
中島さんが言語聴覚士になろうと思ったきっかけを教えてください!
コミュニケーションの専門家という文言に惹かれたからです!
高校生のときに進路指導室で言語聴覚士のことを知り、コミュニケーションの専門家であるという文言に惹かれました。
もともと医療関係の仕事に就きたかったことと、ほかの方と同じ職種に就いてみたかったこともあり、言語聴覚士を目指すようになりました。
部活のときに理学療法士の方にお世話になったんですが、言語聴覚士の方にお世話になった経験はなくて。高校生のときに言語聴覚士について簡単には調べていましたが、具体的に理解していたわけではありませんでした。
言語聴覚士の詳細を知らないまま学校へ入学しましたが、勉強する内容はおもしろかったです。ただ、課題やレポート作成は大変でしたね。
中島さんが現在の事業に至るまでの経緯や内容を教えてください!
子育てを経験し、病院以外でも言語聴覚士として活動しています!
卒業後は、療養型の病院で3年間勤務しました。長く勤める気持ちがなかったですし、やりたいこととは違うと思っていたところ、現在勤務している病院の求人が出ていたんです。
急性期病院で、言語聴覚士の立ち上げメンバーを募集していました。事業立ち上げや急性期に興味があったので転職を決め、転職後は言語聴覚士部門の開設に携わることができました。今年で勤続15年以上になります。
言語聴覚士として働くなかで経験した結婚と出産は、今の事業につながる大きな転機となりました。
結婚する前は勉強や学会発表に励み、仕事第一な生活を送っていたんです。それが子どもができたことでライフスタイルや考え方が180°変わりました。
仕事でも影響を受け、人をみないといけないと気づかされました。成長期の段階で正しい機能ができないのであれば、100歳までつながらないと強く思ったんです。
また子育てを通じて、地域とのつながりの大切さを実感したことをきっかけに、市民団体や歯科、病院以外でも言語聴覚士として活動を始めました。
中島さんは現在どんな事業を展開されていますか?
病院経営から病院外での講師活動やイベントの運営をおこなっています!
現在は急性期病院で臨床現場に立ちながら、病院経営に携わっています。
マネージャーとして他職種と協働しながら、”食支援”を主軸に病院運営や地域連携を進めています。
特に注力している活動として、当院には食支援ができるスタッフが所属していることを地域の施設や開業医へ発信しているんです。
そのほか、歯科医院で子どもの発話に関する言葉の相談会や、訪問看護ステーションで看護師向けに小児の嚥下や発語に関する勉強会の講師を担当しています。
バランスボールのインストラクターとしても活動しており、地域の子育て支援団体でお母さま方向けの体力づくりや子どもと一緒に参加できるリフレッシュサークルを運営。
中年の方の体力づくりを目的としたバランスボールを使ったオンラインサービスも提供中です。
子育て支援団体で食育や子どもと一緒にできるワークショップの運営、企画も担当しています。
食べることを考えたときに、小児期の栄養は非常に重要だと思います。親子クッキングやオーガニックの料理教室をおこない、食べることで病気になることを予防したいです。
中島さんの仕事に対する想いや今後の展望を教えてください!
今までの私の活動を次世代へ伝えていきたいです!
0歳から100歳までの”話す”と”食べる”を守りたいです。しかしそれを達成するには、病院以外での関わりが必要です。
大事なのは教育であり、成長期の子どもとその親を同時にケアできる社会へ変えられると良いなと思っています。
でないと健康寿命が伸びず、医療費も増える一方です。病院に行けば病気が必ず治るというわけではないので、自分で自分を整える方法を知らないといけません。
特に小学生とその親世代へ教育しないと、医療が破綻してしまいます。子育て期の親と子どもへ支援ができれば、長い目で見てそれが介護予防にもつながると思うんです。それを専門家がバックアップできれば、もっと社会が良くなるはずです。
今後も食育や子育てイベント、病院を中心とした地域連携の3つは継続したいですね。
あとは、私が今までやってきた活動を次世代へ伝えていきたいと思っています。20代や30代のお母さん方が子育て支援が大事であることを知って、ついてきてくれるお母さま方を増やしていきたいです。
必要があれば私が目立つ立場に立ち、お母さん世代でもできるということを伝えていきたいです。自分がやってきたことを今までやってきたことを次世代へ伝えないといけないと思っています。
そう思えるのも、子どもが気づかせてくれたからです。彼のおかげで自分のぶれない軸を持つことができました。子どもが大人になるまでに社会が少しでも変わっていれば良いなと思っています。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
自分を信じられるセラピストが増えてほしいです!
自分を信じてほしいと思います。
セラピストは考えが先に出て、動けない方が多いように感じます。動けば何かが変わります。
自分の強みを信じて、自分のやりたいように動けるセラピストが増えてほしいです。
中島 美由紀(なかしま みゆき)
言言語聴覚士の資格取得後、総合病院で臨床経験を積む。言語聴覚士部門の立ち上げに携わりながら、出産を経験。出産を機に、成長期の子どもの食事に関心をもち、教育の重要性を知る。現在は病院に勤務しながら、病院外でも地域での活動やオンラインサービスの提供など多岐にわたり活動している。