セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
オステオパシーを用いた鍼灸整体事業や訪問整体、健康指導などの活動をおこなうまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
長田さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
長田さんが鍼灸師になろうと思ったきっかけを教えてください!
ありきたりなきっかけですが、野球での怪我がきっかけです!
子どもの頃から野球をおこなっていて、よくけがをしていました。それが理由で、理学療法士や鍼灸師の先生方にお世話になることが多かったんです。
子どもの頃からプロ野球選手になるのが夢だったんですが、高校時代はさらにけがが増え、徐々に治療家への憧れが強まりました。
ありきたりなきっかけではありますが、自分と同じようにけがで苦しんでいる方の治療をおこなう側に回りたいと強く思うようになったんです。
野球を引退した時点で鍼灸師になろうと思い、専門学校を探し始めました。さまざまな職業があるなかで鍼灸師を選んだのは、当時開業権を持っていることを教えていただいた点と柔道の授業がない点が決め手でしたね。
脱臼癖があったので、柔道の授業は避けたかったんです。
長田さんが現在の事業に至るまでの経緯や内容を教えてください!
自分がパニック障害を引き起こしたのがきっかけです!
専門学校に通っていた20歳になる前くらいのときに、パニック障害を発症しました。ライブ会場で周囲の方に圧迫される感覚というか窮屈さを感じたのが最初でしたね。
その症状が、高速道路の運転や電車の中など徐々に日常生活でも出るようになり、それまで痛みや症状にフォーカスした鍼灸師を目指していたんです。
しかし、自分にできることは何だろうと改めて考えたのが、内面までケアをおこなう今の事業につながっています。
経緯としては、パニック障害とうまく付き合いつつ、専門学校を卒業し、その学校が研修施設として所有している施設での施術業務と、鍼灸科での教育補助院として、実技講義や事務作業、補講教師を1年間おこないました。
その後、整形外科に就職しましたが、職場での環境に悩むことが多く、つらい日々を過ごしていました。
そんななか、それまで落ち着いていた限界を迎えパニック障害の症状が再発しそうになったんです。その経験から、身体だけでなく内面のケアも重要だと改めて強く感じました。
精神的アプローチができるようになりたいと思い、整形外科は半年くらいで退職し、オステオパシーを取り入れている整骨院に転職し、3年間経験を積み、独立しました。
長田さんの現在の具体的な事業内容を教えてください!
鍼灸整体事業や訪問整体事業、健康指導をおこなっています!
特に、身体の痛みや慢性症状に対する施術をメインにおこない、精神的に悩んでいる方など多くの患者さまの健康をサポートしているんです。
また訪問治療もおこなっており、自宅で治療を受けたい方にも対応しています。
健康指導のおもな活動は、一般の方を対象にセミナーを開いて、部活における身体の使い方指導や一般の方にも当てはまる日常生活における動き、関節の動かし方の指導などです。
生活習慣病や慢性的な疾患を抱えている方が増えているなかで、「自分の生活における選択のせいですよ」という声をよく見かけます。
ただ一般の方からすると、何が正しいのかが分からない状態で、どんな選択をしたら良いのか分からないケースがほとんどなんです。
それなのにあなたの責任ですというのは、医療従事者として間違っていると思っています。
なので私のSNSでは、多くの方に選択肢を増やしていただけるように、身体の基本に基づいた鍼灸治療の効果や重要性を日々発信しています。
鍼灸治療におけるオステオパシーの役割について教えてください!
健康を手に入れるための選択肢の一つですね!
まずオステオパシーを導入した背景には、パニック障害の克服という自身の経験があります。身体だけでなく心のケアもおこなうことで、より総合的な治療が可能になると感じました。
オステオパシーは、患者さまの身体全体に対するアプローチで、鍼灸と組み合わせることで相乗効果を生み出しています。
オステオパシーを取り入れた治療では、骨格や筋肉のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目指しています。
具体的には、関節の可動域を広げる手技や筋肉の緊張を緩和させる手法を用いています。それにより、痛みの軽減やリラクゼーション効果が期待できます。
長田さんの今後の活動についての展望を教えてください!
自身の店舗展開とセラピストの育成をおこなっていきたいです!
今後は、自身の店舗を展開し、同じ志を持つセラピストの育成に力を入れたいと考えています。
特に、質の高い治療を提供できるチームを形成し、鍼灸治療の良さを広めていきたいです。少数精鋭で、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を提供することを目指します。
そのために、さらにオンラインでの発信を強化し、鍼灸治療の重要性を広めていきたいです。
また、教育活動にも力を入れ、未来の鍼灸師を育成するためのスクール運営も計画しています。それにより、鍼灸治療の普及とともに質の高い鍼灸師の輩出を目指します。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
鍼灸師の価値を理解し、誇りを持ってほしいです!
鍼灸師は、人の悩みと向き合う職業なので、本気で向き合おうとすると年数を重ねるごとにそんなに簡単ではないとつくづく感じます。
ただ、現代社会における薬ではどうにもならない症状や、病院に行っても改善しなかったという方が多くいらっしゃいます。
我々鍼灸師は、その症状を改善して患者さまの人生を大きく変えられる職業でもあるんです。
その意味や自身の価値を十分に理解し、強い責任感のもと活動してくれるセラピストが増えてくれると嬉しいです。
長田 侑三(おさだ ゆうぞう)
鍼灸師の資格取得後、学生時代に発症したパニック障害をきっかけに、オステオパシーを用いた鍼灸整体事業を展開している。そのほかに、訪問整体や健康指導セミナーなど幅広く活動している。