【條 晋太朗 / 作業療法士】人生の軌跡を写真に残したい!

【條 晋太朗 / 作業療法士】人生の軌跡を写真に残したい!

條 晋太朗(じょう しんたろう)

作業療法士の資格取得後、介護施設で勤務する傍ら、趣味の写真を介護の世界で役立てるために開業を決意。現在は作業療法士としての仕事を続けながら、医療や介護現場へ写真家として訪問。介護施設でのファッションショーを開催するなど活動の幅を拡大中。

THERA-FIL

セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。

THERA-FILって何のメディア?
THERA-FIL

作業療法士を取得後、ご高齢の方専門の写真家までにどのようなストーリーがあったのでしょうか。

Filmを覗いてみましょう。

條さんが作業療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!

條 晋太朗

アルツハイマー型認知症を患った祖母を支えたいと思ったことがきっかけです!

アルツハイマー型認知症を患った祖母を、生活面から支えたいと思ったことがきっかけです。

認知症に対してどんなアプローチがあるのかを調べていたところ、作業療法という手段があることを知ったんです。

元々興味があった心理士や、理学療法士を目指そうかと悩んだ時期もあったんですが、作業療法士が生活にも深く関わるので、実用的だと考えて作業療法士になることを決めました。

作業療法士は、精神疾患や認知機能系以外の環境に対してもアプローチをおこなう仕事であるという点で、こんなに素敵な職業はほかにないなと思ったんです。

調べれば調べるほど、幅広い業務内容に魅力を感じるようになっていきました。

條さんが実際に病院へ就職して感じたことを教えてください!

條 晋太朗

思い描いていた働き方と乖離があると感じました!

正直、最初に思い描いていた作業療法士の仕事と実際の業務が乖離していて戸惑いました。

作業療法士は生活動作や趣味活動など、応用的な動作の獲得を目指したアプローチをおこなうと思っていたんです。ただ私が働いていた病院は、身体機能を向上させるためのアプローチが中心でした。

そのような経緯があり、作業療法士はそもそも何をすべき職業なのかと疑問を抱き、作業療法とは何なのかについて深く調べるようになったんです。

その結果、作業療法士の資格を生かすには、病院以外のところで働いたほうが良いと考え、病院を退職しました。

條さんがご高齢の方専門の写真家としての活動を始めたきっかけを教えてください!

條 晋太朗

自分の人生を振り返ったことがきっかけです!

地元の徳島県で病院勤務を経験し、その後は大阪や広島で老人保健施設や訪問リハビリ、デイサービスなど病院以外の現場で勤務してきました。

さまざまな現場で作業療法士として勤務するうちに、私は結局何がしたいのかと考えるようになったんです。

0歳から30歳までのライフストーリーをつくり、自分がどんな価値観を持っていて、どのように考えるのかを一つずつ紐解いていきました。

自分のことを振り返るなかで、私はご高齢の方と私の趣味である写真に救われてきた人生だったと気づいたんです。

條 晋太朗 きっかけ

また、老人保健施設やデイサービスで勤務していたときに、利用者さまのご家族から「施設でどう過ごしているのかわからず不安になる。」「葬式のときに使う写真がない。」と耳にすることが多々ありました。

何十年も生きてきて、人生の締めくくりの式に使う写真がないのは悲しいと思い、遺影用の写真を撮影しようと思ったんです。

ご高齢の方々を写真に収めていくことに人生を捧げようと決心しました。

條さんの写真家としての活動内容を教えてください!

條 晋太朗

非常勤で作業療法士を続けながら、写真家としての活動やイベント運営をしています!

おもに、病院や介護施設に出向いて写真を撮っています。

施設で夏祭りなどのイベントが開催されることがあるので、そういったイベントに合わせて出向くことが多いです。

同時にイベントの企画もおこなっていて、デイサービスでのファッションショーやご高齢の方を撮影した写真展を催すこともあります。

條 晋太朗 活動

ファッションショーは、施設でご高齢の方や障がいがある方にモデルとなって参加していただいているんです。

週5回ほど、非常勤で作業療法士としての勤務も続けていますが、写真家としての活動をメインにしていきたいので、作業療法士としての仕事は徐々に減らしていくつもりです。

光栄なことに、首相官邸の公式SNSで写真を使っていただいたこともあります。

写真家としての活動に対する想いや今後の目標を教えてください!

條 晋太朗

人生の価値を残していきたいです!

実際に施設に訪問し、利用者さまとお話しすると9割ほどの方が自身の人生に対して後悔の念を抱いているんです。

年齢を重ねてきたからこそ後悔もあり、その寛大な心に救われる私のような人間もいるということ、それが素晴らしい人生であることを写真で残し続けていきたいと考えています。

條 晋太朗 想い

いろいろな困難や想いを経てきた方々の人生を写真という形で残し、良い人生だったと笑顔になっていただきたいという想いがあるんです。

今後の目標として、現在は作業療法士と兼業で活動しているので、しっかりと法人化していくことが目標です。

居住地である関西がメインにはなると思いますが、全国的につながりはあるので、医学や介護の知識を持ったカメラマンを派遣していく方針で考えています。

THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?

條 晋太朗

自分のなかにしか答えはないと思います!

今の若い方は、人生の選択肢が非常に多いんです。ただ自らがやりたいこと、こう在りたいと思う姿というのは自分のなかにしかありません。

私は自身のライフストーリーを振り返って分析することで、何がしたいのかを明確にしてきました。

そのうえで揺るぎない自分をつくり上げ、活動してきたことで結果を出すことができたと思っています。

養成校を卒業して、医療現場に就職することは決して悪いことではありません。ですが、自己分析をしっかりおこなえば、自分が本当にやりたいことを見つける手助けになります。

自分のなかにある答えを探し出したうえで、この先の人生をどう歩んでいくのか見つけてください。

 

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