セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
整形外科勤務からマタニティ産後ケアの活動に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
小山さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
小山さんが鍼灸師になろうと思ったきっかけを教えてください!
お世話になっていたトレーナーの方にアドバイスをいただいたことがきっかけです!
学生の頃に、私はラグビー部のマネージャーとして活動していました。
選手のテーピングやコンディショニングをおこなっており、この経験を生かしたいと思い、当初はアスレチックトレーナーを目指していたんです。
そのときにお世話になっていたトレーナーの方に、トレーナーになるにはどうしたら良いのか伺ったところ「国家資格があったほうがいいよ。」と言われました。
国家資格にはいくつか種類がありますが、「鍼灸師の資格はいろいろと応用が利くと思うよ。」とアドバイスをいただき、鍼灸師を目指すことを決めたんです。
小山さんが現在の事業に至るまでの経緯や内容を教えてください!
トレーナーとしての活動ではなく、女性の問題を早く解決できる人になる必要があると感じたからです!
専門学校卒業後は、整形外科に就職しました。今までその整形外科には女性の鍼灸師がいなかったので、女性の方から声をかけられることが多かったんです。
そのなかで「孫が今妊娠中で腰が痛いと言ってるんだけど、鍼灸で施術はできるんですか?」と聞かれたんですが、当時はその質問に答えられませんでした。
同じ女性として私もこれから妊娠や出産を経験する可能性があるのにもかかわらず、何の知識もないことに対してとても不安になりました。
私は、女性の問題を早く解決する必要があると気づき、それからは自分の進むべき方向が定まったんです。
病院を退職し、マタニティケアのパイオニアと呼ばれる鍼灸アロママッサージサロンに転職しました。そこで施術業務をこなしながら、周産期の医療についても勉強や研修に取り組んでいたんです。
それから結婚を機に独立開業し、マタニティ産後ケアに関する活動を中心におこなっています。
小山さんの現在の事業内容を教えてください!
プライベートサロンの運営やワークショップを開催しています!
おもにプライベートサロンを運営しており、マタニティ産後のケアを中心に身体を回復させ、癒しを提供することにフォーカスした鍼灸施術を提供しています。
2023年から産婦人科医院と医療業務提携を結び、病院に出張して入院中のママさんに産後ケアのための鍼灸施術をおこなっているんです。
また、ワークショップや講座を開催しています。そのなかで、お灸の魅力や興味があるけど、どうしたら良いか分からず一歩踏み出せない方に向けて、東洋医学を気軽に楽しんでもらうことを目指しています。
活動に対する小山さんの想いを教えてください!
身体やメンタル面を変えられるママさんが増えてほしいと思っています!
「妊娠中はとても身体がつらい。」「本当にしんどい。」などの声やSNSでの投稿などさまざまな意見が見受けられるんですよね。私も妊娠から出産を経験をし、その期間は身体が重く大変でした。
ただ、妊娠中だからこそ感じることやできることが本当にあって、私は妊娠期間を周りのサポートがあったおかげで楽しむことができたんです。
その期間をつらいだけで終わらせるのは、とてももったいないなと感じています。妊娠期間をもっと楽しめるように社会全体が変わってほしいですね。
あとは妊娠中、産後のママさん自身が正しい知識とセルフケアの方法を知っていれば、もっと身体が楽になります。
身体面の不調はメンタル面にも影響してくるので、どうして自分だけこんなにつらい思いをしなきゃいけないんだろうというネガティブな思考にもなりやすいです。
特に産後の身体の状態では、メンタル面も不安定になります。それが産後うつにつながっていたり、お子さまへの声掛けや態度に出たりしてしまいます。
子どもの教育にもつながるので、ママさんの心と身体を楽にしておくことが一番重要だと思います。
ママさんのなかには「子どもを預けてまで自分のケアの時間を取れないです。」とおっしゃる方がいるんです。
家族が笑顔になるには、ママさんに余裕がないといけません。そして、ママさんの身体と気持ちが楽になることは自分のためだけではなく、実は家族のためになっていることを施術のときにお伝えしています。
今後の小山さんの活動における展望を教えてください!
2025年までに妊婦、産後ママさんがウェルネス情報を学びながら心からリラックスできる場所をつくりたいです!
妊娠中の方はマタニティライフを健康に過ごすために、分娩に向けての準備期間として心と身体のためにできることを学びながらリラックスできる空間が必要だと感じています。
また、産後の方は子連れでも安心してゆっくりできて、周りの方ともコミュニーケーションを取れる空間も必要ではないでしょうか。
そんな空間があれば、産後の身体の回復を促したり、産後うつの予防や孤立した子育ての悩みが減ったりすると思っています。そして鍼灸や東洋医学の考え方は、その一助になり得ると思います。
病院や行政ができない部分の本当に必要なウェルネスサービスを提供したいです。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
目の前の方を思った施術を提供してほしいです!
私は、目には見えないエネルギーの力や自然のリズムに従うことが大切だと思っています。
臨床現場のなかで、どうしても分からないことがあったとしても、自然のリズムを考えることで自分のなかで納得でき、腑に落ちた経験が何度もありました。
学生の皆さんや現在活躍されているセラピストの皆さんも、目の前のことに向き合い、一つずつ腑に落としながら、人のために施術をおこなうセラピストになってもらいたいですね。
小山さんのInstagramはこちら▼
小山 朋笑(こやま ともえ)
鍼灸師の資格取得後、整形外科での勤務と並行してトレーナーとしても活動をおこなう。マタニティ産後ケア専門鍼灸サロンへ転職後、結婚を機に独立し開業。現在は自宅サロンでマタニティ産後ケアを中心に鍼灸での施術をおこなう。ほかにもワークショップ開催、マルシェへの出店、ウェビナーや講座を開講するなど幅広く活動中。