セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
病院勤務からピラティスインストラクター活動までにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
寺岡さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
寺岡さんが作業療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
高校生のときに症例検討会を聞いたことがきっかけです!
高校生のときに、専門学校のオープンキャンパスで症例検討会を見学させてもらったことがきっかけです。
高校と専門学校が系列の学校でたまたま見学でき、当時は内容を理解できませんでしたが、漠然とかっこいい仕事だと思いました。
リハビリといえば平行棒の内側で歩くイメージしかもっていなかったんですが、症例の方は退院後にやりたいことがあり、希望に沿って介入できていた症例発表は印象深かったです。
作業療法士の仕事はそこまでケアできるんだ。喜んでもらえるんだ。と今までのリハビリのイメージを覆されました。
人のために頑張れることは良い仕事だと思いましたし、私もいろいろな世界が知れると思いました。
その症例発表の印象が強く残り、作業療法士になろうと決めたんです。
寺岡さんが学校を卒業して今の活動に至るまでの経緯を教えてください!
総合病院、整形外科、訪問リハビリの経験を経て、ピラティスインストラクターの活動を始めました!
新卒で就職した総合病院は約2年間勤務し、病院の体制が変わるタイミングで退職しました。仕事の仕組みが変わったことに納得できなかったんです。
もともと心と身体をサポートできる作業療法士になりたいと思っていたので、まずは身体のことをもっと勉強したいと思い、整形外科への転職を決めました。
しかし、整形外科勤務は私の精神面が不安定になってしまい、10か月で退職してしまったんです。病院の方針が通院を目的としており、改善を考えていなかったんです。無力感が強く、やりがいも感じませんでした。
そのタイミングで、通っていたスポーツジムでピラティスを受けたんです。私はあぐらがかけなかったんですが、ピラティスを始めてあぐらがかけるようになりました。
通院している患者さまも、ピラティスをおこなえば通院しなくて良かったのではないかと思うようになり、ピラティスに興味を持ち始めたんです。
整形外科勤務と並行してピラティスの資格を取得するのは難しいと思ったので、非常勤として訪問リハビリの仕事に切り替え、ピラティスの資格を取得しました。
寺岡さんの現在の事業内容を具体的に教えてください!
老人保険福祉施設勤務とピラティスインストラクターのダブルワークをしています!
老人保健福祉施設勤務とピラティスインストラクターを兼務しながら活動中です。仕事量はおおよそ半分ずつで、いずれは整体とピラティスを仕事にしたいと思っています。
私はメンタルケアにも関心があり、うつなどの精神的な疾患は疲労が影響しているのではないかと考えています。
その疲れを整体でとり、アフターケアとしてピラティスで疲れにくい身体づくりをサポートできることが理想です。
自分で自分の身体の調整ができるようになり、通わせないピラティスや整体を提案したいと思っています。
基本は、マシンピラティスのレッスンをおこなっています。マットピラティスもお伝えしていますが、マシンに比べると身体を支えるものが少ないため、難しく感じる方も少なくありません。
マシンは、身体を支えられることで動きの難易度が低くなります。ダイレクトに身体を鍛えやすく、左右差も分かりやすいんです。
指導側としてもフィードバックしやすいので、初心者の方はマシンピラティスがおすすめです。
ピラティスは鏡を見ずに動くことが多いですが、私はあえて見てもらっています。視覚からの情報も身体の感覚を養ううえで必要不可欠なんです。実際に見てもらい、正しい動きを理解してもらいたいと思っています。
寺岡さんの今後の活動についての展望や活動への想いを教えてください!
目には見えない疲労をとってあげたいと思っています!
疲れがなく楽しく活動できたら不満も減り、新しいことに挑戦できる方が増えると思うんです。疲労をとって、その方の可能性を広げるサポートをしたいと思っています。
また、ピラティスで心身の軸をつくり、自分自身をもっと大切にする方が増えてくれると嬉しいです。
学生のときから精神科の勉強が楽しく、精神科の実習が印象的でした。見た目は症状がなさそうにみえてもバックグラウンドにつらい事情を抱えている方もいて、目には見えない部分をサポートできることが楽しかったんです。
運動療法中心の珍しい病院だったんですが、そのときの経験が今の活動につながっていると思います。
目標を掲げるのは得意ではありませんが、今年の目標は来年中にサロンを持つ準備をすすめることです。最終的には自宅でサロンを持ちたいです。
また、同じ考え方を持つ方と一緒に何か活動ができるといいなと思います。
私たちと同世代である20代、30代は働きざがりで、身体のケアが疎かになりがちです。その世代こそケアが重要であるにも関わらず、自身のケアにお金をかけたくない方も少なくありません。
表面的なケアではなく、もっと内面からケアをおこない、長期的に健康維持できるようになっていただきたいです。
症状が出てからでは遅いんです。将来のために動ける方が増えてほしいと思っています。
そこにアプローチするためにも、企業などにも介入できればと思っています。疲れが少なくなることで業績が上がり、企業も本人にもプラスになれることをアピールしていきたいです。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
学生時代に選択肢を増やせる経験をしてもらいたいです!
学生時代はさまざま場所に行って、たくさんのことを経験してほしいと思います。私の学生時代は、勉強ばかりしていて休みも少なく、満足できる学生生活を過ごせませんでした。
勉強ももちろん大事です。しかし、会いたい方に会いに行くなど勉強以外のことも大切であることを知っておいてください。
学生時代だからこそ、感じ取れるものが大いにあると思います。学生時代の経験が今後の人生の選択肢を増やせるよう過ごしてもらいたいです。
寺岡 楓(てらおか かえで)
作業療法士の資格取得後、総合病院で臨床経験を積む。その後整形外科病院、訪問リハビリで勤務しながらピラティスインストラクターの資格を取得。現在は老人保健福祉施設に勤務しながらピラティスインストラクターとして心身のサポートに注力している。