セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
言語聴覚士からWebマーケティングへの転向に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
真田さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
真田さんが言語聴覚士になろうと思ったきっかけを教えてください!
人と関わることやコミュニケーションが好きだったからです!
正直そこまで深い理由はなく、自身が言語聴覚士にお世話になったことがあるわけではありませんでした。ただ、私は人と関わることやコミュニケーションをとることが好きで、言語聴覚士は好きなことをそのまま仕事にできるイメージが強く、そこに魅力を感じたのがきっかけです。
医療現場で実際に働く方のお話を聞いて、将来の夢も特になかったので安定しそうだなあと特に大きな迷いもなく選びましたね。
真田さんが臨床に入って苦労したことを教えてください!
悔しい思いをすることのほうが多かったです!
卒業後は、総合病院に入職して2年間勤め、その後介護老人保健施設にも1年間勤めました。言語聴覚士として1年目を過ごした総合病院では、おもに嚥下機能の評価とリハビリをおこなっていました。
病気で食べ物の飲み込みが悪くなった方に対して、嚥下機能を判断しどんな食形態から始めるのかを考えていました。それから徐々にその能力を取り戻すリハビリをしていき、退院する段階でどんな食事が合っているか考えるところまで取り組んでいたんです。
病院で働くなかで、探究心があればどこまでも深く学ぶことができる言語聴覚士の仕事にはとてもやりがいを感じ、毎日学ぶことにも抵抗なく楽しんでいました。
ただ、リハビリには限界があると感じたんです。病気をした方がリハビリをしてもプラトー(それ以上良くならないところ)を迎える瞬間があって、それがとても悔しいと思いました。
食べる喜びを取り戻したとしても、自分が好きだったご飯はもう食べられないことにその人らしく生きられているのかなと疑問を感じてしまったんです。
その現実と理想のギャップにとても苦しみましたね。
真田さんはなぜマーケティング業界に行こうと思ったのでしょうか?
本当に価値のあるサービスや商品を世の中に広めるための「手段」を身につけたいと思ったからです!
病気のことを勉強するうちに予防の段階から関わることの重要性を感じ、栄養学のことなどリハビリ以外のことに興味を持って積極的に勉強しました。
そのなかでわかったことは、世の中の本当に良いモノは伝わっておらず、良く見えるモノが人に選ばれているということです。
多くの方が身体に良いとされるオーガニック食品よりもファストフード店のハンバーガーを選びます。なんで身体に良いものを選ばず、栄養価としてはオーガニック食品に劣るハンバーガーが選ばれるのか不思議だなと思ったんです。
そこにマーケティングが関わっていることを知り、興味を持ちました。
毎日、朝と業務後にひたすら本を読んで人に会って、手探りでしたが副業で事業も立ち上げて、とにかくインプットとアウトプットのために即行動することを意識しました。
3年目のときに、個人で立ち上げた事業に取り組むなかで力不足を感じることが多くなり、さらに成長速度を上げていくには環境を変えるしかないと感じて、思い切ってマーケティング業界に転職することにしたんです。
真田さんが個人事業主として動き始めたきっかけを教えてください!
責任を増すことで、成長速度を早められることができると思ったからです!
最初は祖母のお店をお手伝いから始めたのですが、うまくいかないことが多く、悔しい思いをすることが多かったんです。よりできることを増やしたいなと思ってとにかく行動していました。
そんなときにある飲食店のオーナーから声をかけてもらって、その方のお店のマーケティングをサポートをさせてもらったんです。その際に初めて、組織ではなく自身で働いた対価として少ないですが報酬を頂きました。
今まで病院や介護老人保健施設に勤めているときに、組織からお給料を頂くということが当たり前の価値観になっていたんだなということに気づきましたね。
自身の事業を運営し、自分でお金をもらっていくことに責任や重さを感じる側面もありますが、知らない領域をどんどん拡大して成長の幅を広げていけることに気づき、楽しさを感じることができるようになりました。
真田さんが会社員や個人事業主でやっていることを教えてください!
コンサルティングや講義をしています!
現在勤めているベンチャー企業では、ECモールに特化したマーケティングをおこなっています。具体的には、大手のショッピングサイトに出品している企業さまのコンサルティングに従事しており、売上を上げるための戦略立てから実行のフェーズ・PDCAまで一貫しておこなっているんです。
そのうえで個人事業主では、会社員での学びを深めるために、自分でクライアントを抱えて、オフラインマーケティング(飲食店のマーケコンサル)や、楽天・Amazonのコンサルをおこなっています。
また言語聴覚士として、月に1回程度介護士の卵にコミュニケーションの講義もおこなっていて、さらに幅を広げられるように活動しています。
真田さんにとって個人事業のおもしろいところってなんですか?
問題を認識して乗り越えた先に、そこに成長があると実感できることです!
個人で仕事する方が身近になかなか居なくて、周囲と比べると自身が異質な存在であるかのように感じていました。ただ、それは単なるバイアスだと気づいたんです。
人と違うことをすることに誰しも否定的な感情を持ちますが、かといって行動しないと自分の可能性を狭めるなと思いました。
その否定的な感情を取り払って、努力をし続ければ何にでもなれるなと気づくことができたんです。もちろんそれには楽しいことだけではなくて、できないことや苦しい経験もあります。
ですが、信じた道を走れば課題が見つかりますし、その課題を認識して乗り越えてしまえば新たな自分へ成長できます。そのサイクルをずっと続けることが楽しいんです。
真田さんの今後の展望を教えてください!
マイナスをプラスに持っていけるような、ビジネスをしたいです!
その方が抱える不安や悩みに対して解決したいという気持ちがベースにあります。私はその不安を解決しようと思ったときに自分の力を発揮できるんです。それはやっぱり病院で担当した患者さまに「ありがとう」と心から言われた経験が大きいですね。
ゼロをプラスにするビジネスよりは、マイナスをプラスに持っていけるようなビジネスをしたいと思います。
良いサービスであるはずだけど世の中に伝わらないのはなぜなんだろうか、どうしたら伝わるんだろうかと悩む方のサポートができるように成長していきたいと考えています。
マーケティングは、何か想いを持ったセラピストがその想いを実現するための手段としても使える、思考のフレーム・仕組みだと思うんです。
今後は、とにかく個人でできることの幅を増やしていきます。これは、確実に世の中のためになると信じ切れるような価値があるものを発見でき次第、すぐに形にしていきたいです。
また、離れても医療業界に対する想いも強いので、どのような形になるかは分かりませんが、いずれかは医療業界に関わり一人でも多くの方の健康寿命を伸ばしていけるような個人としての影響力をつけ、発揮していきたいと思っています。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
何か想いがあるなら、その実現に向けて動きましょう!
何かやりたいことができたときに、いろんなバイアスや自分のなかで、できない自分が壁となって現れるでしょう。
第一歩となる壁を乗り越えてしまえば、あとは自分が思っている以上にスムーズだと感じることができるので、やりたいことに向かって突き進めば良いと思います。
バイアスを取り払い、自分の可能性を信じて行動してみてください。
真田 圭信(さなだ けいしん)
言語聴覚士の資格取得後、言語聴覚士として総合病院で2年、
介護老人保健施設で1年勤務ののち一般企業に転職。
現在はWebマーケティングに特化した会社に勤務しながら個人事業主として
マーケティングに携わっている。マイナスをプラスにしてたくさんの方の
可能性を広げたいという熱い想いを胸に活動中。