【胡崎 亮介 / 理学療法士】気づけていない可能性があることを示したい!

【胡崎 亮介 / 理学療法士】気づけていない可能性があることを示したい!

胡崎 亮介(こざき りょうすけ)

理学療法士の資格取得後、総合病院に勤務をしながら、ダウン症の息子のために児童発達支援活動を始める。現在は、ダウン症に特化した『訪問看護ステーションみらい』や『ダウンアカデミー』の運営などその活動は多岐にわたる。

THERA-FIL

セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。

THERA-FILって何のメディア?
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病院勤務の理学療法士が訪問看護ステーションでの活動やオンラインスクールの運営に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。

胡崎さんFilmを覗いてみましょう。

胡崎さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!

胡崎 亮介

人のためになりたいと思い、医療従事者を目指したからです!

高校生のときから、人のために何かしたいという想いがありました。

看護師になりたいと考えたこともあったんですが、血や注射針を見ることに苦手意識があったので断念したんです。

ほかの職業はないかと考えていたちょうどその時期に、部活でおこなっていたバスケットボールでけがをすることがありました。

そのとき整体や整形外科で医療従事者と関わり、理学療法士という仕事があることを知ったんです。

また母がヘルパーの仕事をしていたので、母が一緒に仕事をしていたのが理学療法士だと聞いていました。

理学療法士は、けがをした方や高齢者の方々と関わる印象がとても強く、人のためになることをするという私のやりたいことと合致していたので、理学療法士を目指すことを決めたんです。

胡崎さんが現在の活動に至るまでの経緯を教えてください!

胡崎 亮介

病院勤務しながら、児童発達支援活動などの活動を経て、訪問看護ステーションの運営に携わるようになりました!

ダウン症の息子が生まれたのは、私が臨床6年目の頃でした。お恥ずかしい話なんですが、当時はダウン症について何も知らなかったんです。

私が理学療法士として取った行動は、身体の筋骨格的なことばかりではなく、頭蓋調整や内臓へのアプローチなど全身をみることができるオステオパシーという医療哲学を学ぶことでした。

それによって、息子のために何か貢献できることがあるのではないかと考えていたんです。

学んでいくうちに、痛みの軽減や姿勢改善などにも効果的であることを知り、大きな可能性を感じていました。

並行してダウン症についても勉強するなかで、『赤ちゃん体操』を知り、息子が生後2か月〜3か月頃からその教室へ通い始めました。

当時の私にとって、そこで教えていただいた内容は新鮮なことばかりで、子どもの発達の見方や支援方法など、非常に多くのことを学ぶ機会になったんです。

そのような機会に恵まれ、自分も勉強し指導できるようになりたいと思ったことが小児分野に関わるきっかけとなりました。

胡崎 亮介 きっかけ

それから、小児の児童発達支援やそのほかに月に数回、赤ちゃん体操の指導員としても活動していたんです。

そうした経験から、身体のことを深く学ぶなかで、ダウン症のお子さまへの介入機会が次第に増えていき、より良い支援をするためにはどうすべきか考えるようになりました。

そんなときに、あるご縁があり、訪問看護ステーションの法人さまからのお声がけいただいたんです。

そして2022年の9月に、『訪問看護ステーションみらい』の運営に携わるようになりました。

胡崎さんの現在の活動について教えてください!

胡崎 亮介

訪問看護ステーションやオンラインスクールの運営などさまざまな活動をおこなっています!

おもな活動は『訪問看護ステーションみらい』の運営です。

『訪問看護ステーションみらい』はダウン症に特化した施設で、大阪府を拠点に訪問看護やリハビリをおこなっています。

胡崎 亮介 活動

利用者さまの9割以上がダウン症のお子さまで、スタッフもダウン症の家族を持つ方が多数在籍しているんです。

また、2023年から『ダウンアカデミー』というオンラインスクールを運営しています。

講座では、私がそれまで実践してきたダウン症のお子さまとの関わり方や支援の在り方、評価の方法、アプローチなどをノートにまとめてきたものを教材として取り扱ってるんです。

小児経験が少ない方やこれから取り組みたい方からも受講しやすく、教科書には載っていない細かな視点、具体的な内容をコンセプトとしています。

2024年の4月からは、NPO団体のアドバイザーとしての活動も始めました。

NPO団体では、子育てに対する啓蒙活動をおこなう団体でSNSを通してご依頼をいただき、講演活動などをおこなっています。

胡崎さんの現在の活動に込められた想いを教えてください!

胡崎 亮介

ダウン症を持つお子さまや保護者の方々に寄り添っていきたいという想いがあります!

児童発達支援をおこなっていたときから、「ほかの施設で担当してくれているリハビリの先生が何をしているのかよく分からず、遊んでいるようにしか見えない」という保護者の方々からの意見をよく耳にしました。

その理由として、ダウン症に対する認識の問題があるのではないかという考えに至ったんです。

ほかの障がいを持つお子さまと比べ、ダウン症のお子さまはゆっくり発達していくことから、小児リハビリのなかでも軽度から中等度の疾患だと認識している方もいらっしゃると推測しました。

ダウン症の子どもを持つ父親として、そして小児の理学療法士としての視点を持っています。

2つの視点からダウン症のお子さまに特化した支援ができる場があれば、保護者の方々の想いにしっかりと応えていくことができるのではないかと考えました。

だからこそダウン症のお子さまを専門的にみる私たちが寄り添い、しっかり子どもをみてほしいという保護者の方々の想いに応えたいと思っています。

胡崎さんの今後の展望について教えてください!

胡崎 亮介

ダウン症について体系化した教材を後世に残したいです!

ダウンアカデミーの運営をスタートして1年が経過し、受講生からは「聞いてよかった」と言っていただけることも多くなり、2024年度の受講生の募集もスタートしているんです。

ダウン症のお子さまに効果的な介入をしていきたいと考えている方々にとって、ダウンアカデミーの教材がバイブル的なものになるはずです。

今後は書籍化なども目指し、教材を後世に残したいと思っています。

また実績を積み上げていくことで、今後はダウン症に特化したリハビリモデルの汎化も進めていきたいです。

THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?

胡崎 亮介

セラピストの仕事を通して、『可能性がある』ことを示してほしいです!

国家資格を取得し、皆さんが人として何に価値を見出しているのか、どのような価値を提供できるのか、自分に問い続ける必要があると思います。

私は、現状を解決するためにどうしたらいいの分からないと困っている方に対して、さまざまな選択肢があることや、可能性があることを示したいんです。

これまでさまざまな経験をしてきましたが、関わった方々に対してまだ可能性があることを示したいという想いを持ち続けていました。

皆さんもセラピストの仕事を通して、目の前の方に気づいていないだけでまだ選択肢や可能性があると示せる関わりができることを覚えておいてください。

 

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