セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト（Therapist）を1つの記事（Film）として取り上げています。
会社員を経験後、柔道整復師と鍼灸師の資格を取得し、鍼灸整体院の運営に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
ぽん先生さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
ぽん先生が鍼灸師と柔道整復師の資格を取得したきっかけを知りたいです！
事故で入院したことがきっかけです！
元々医療業界を目指していたのではなく、大学卒業後は流通会社に就職し、営業職として働いていたんです。
当時は移動やデスクワークなどもあり、腰に負担がかかり腰椎椎間板ヘルニアを患っていました。
特に冬になるとヘルニアの症状がつらくなり、整形外科に通院したり、コルセットをしたりしていたんですが、なかなか改善せず治るのかという不安を抱えていたんです。
そんな不安を抱えながら、生活していたときに高速道路で車のタイヤが外れてしまい、車外に投げ出される事故に遭いました。
1か月近く入院したんですが、そこで改めて自身の将来について考えなおし、医療の道を目指したいと思ったんです。
また、手に職をつけて自分の技術を身につけたいと思い、柔道整復師になることを決めました。
ぽん先生が現在の活動に至ったきっかけを教えてください！
ただ施術をおこなうのではなく、セルフケアも含めてサポートしたいと思ったことがきっかけです！
専門学校に通いながら整骨院で働いていたんですが、柔道整復師の資格を取得し、すぐに整骨院のオーナーから「大阪市内に分院をつくるからそこで働かないか」という話をいただきました。
そこでさまざまな経験をさせていただき、なかでも鍼灸治療の効果を目の前でずっと見てきて、鍼灸治療に興味を持つようになったんです。
整骨院を退職し、2009年に『わかば整骨院』として開業しました。同時に鍼灸師の資格を取るために養成校へ通い始めたんです。
自分の整骨院を運営していくなかで、次第に患者さまも増えていき、それと同時に難しい症状の方がいらっしゃるようになりました。
1度施術をおこない、その場で改善したとしても症状が戻ってきてしまうことが多かったんです。
そんな患者さまを見てきて、ただ施術をするのではなく、セルフケアを指導して今後自身の身体を自分で管理できるようなサポートをしたい。
どうしたらそれが実現できるかを考えていたところ、お客さまを施術するなかで足の変形が多いことに気づいたんです。
足の変形を変えることができれば症状の改善につながるのではないかと考え、身体の土台となる足部へのアプローチに注目するようになりました。
同時期に、ある研究者の方と出会って足部のアプローチをおこなったところ、私が思っていたよりも好評だったので、足部のアプローチを追求しようと思ったんです。
それからさまざまな症状を抱える方に足部のアプローチをおこない、その効果を実感するとともに、多くの患者さまから喜びの声をいただきました。
さらにそれが評判となり、多くの方にリピートしていただけるようになったんです。
効果的であった足部へのアプローチをまとめたものを本にしたいと考え、企画書を出版社に送り、企画書を送った30社のうちの1社から本を出版することができました。
ぽん先生が運営している鍼灸整体院について教えてください！
足部へのアプローチをまとめた講座や書籍の出版を手がけながら鍼灸整体院の運営をおこなっているんです！
現在は『わかば整骨院』から名称が変わり、足から身体を変えることをコンセプトとした完全自費診療の『鍼灸ボディ＆フェイスセラピースペース リーフ』を運営しています。
当院では、病院や整骨院に行ったけど改善しなかったという方に対して、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの施術を提供しているんです。
また、2020年には足指ほぐしをまとめた『神の手鍼灸師 3分足指ほぐし 一生歩ける！痛みが消える！』を出版し、発行部数4万部を達成することができました。
セルフケアの指導にも力を入れており、自分で身体を変えることができるという実感を得られるようにサポートすることを心がけています。
ほかにも、施術家を対象とした足部に対するアプローチを指導する講座を開催し、Zoomで症例の報告会や個別指導などもおこなっているんです。
講座は大変ご好評いただいており、2023年まで6期まで開催し、延べ100人以上の方に受講していただきました。
ぽん先生が鍼灸整体で苦労したことを教えてください！
多くのお客さまに来ていただくことが一番大変でした！
やはり一番は、集客です。開業当初は、保険診療のみをおこなっていました。
当時はマーケティングや集客に関する知識もなかったので、コンサルを受けていたんです。
そこでの学びを生かしてチラシの作成もおこない、多くの患者さまに来院していただき、経営も安定していました。
その後、完全自費診療に移行していったんですが、それからが大変でした。移行して1~2年間は保険診療時代と比べると経営的にも苦しい状況が続いていました。
何とか現状を打開しようと、マーケティングの勉強やホームページの作成、経営塾で1年間学ぶなど、とにかく行動し続けていたんです。
その努力が実り、自費診療に移行して4年目には、経営を軌道にのせることができました。
今後の鍼灸師としての活動への想いや展望を教えてください！
身体の不調を予防することが重要であり、それを社会の当たり前にしたいです！
身体の不調によって日常生活すら制限され、やりたいことを諦めた方も世の中には大勢いらっしゃいます。
私はそのような状態になる前に、自分で予防する手段があることを多くの方に広めていきたいんです。
また、その考え方や取り組みなどを多くの方と共有し、不調を予防することが当たり前の社会にしていきたいと思っています。
InstagramやYouTubeで発信をしていると、ありがたいことに全国からの問い合わせの連絡をいただくんです。
そのため、遠方の方に対しては私の講座を受けた先生を紹介するなど、全国に足部のアプローチに長けた施術家を育成することで、紹介先を増やしていきたいと考えています。
また、足部へのアプローチを専門におこなう店舗や患者さまの自宅へ訪問し施術ができるような仕組みを今後つくっていきたいですね。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか？
視野を広げて多くの視点を持ってもらいたいです！
学生の皆さんは、現場に出た際に治療に関する多くの考え方や施術方法に出会うと思います。
そのなかでも、足から身体を変えようとしている方はとても少なく、私のところに来て初めて足部に対する施術の効果を知る方が非常に多いです。
また技術力が高い施術家は多いですが、私のようにセルフケアを重点的に指導する施術家も少ないです。
施術家には技術を追求するだけでなく、簡単で効果を実感しやすい足指のセルフケアを患者さまに伝えていただき、患者さまが自分で身体のケアをできるような関わり方をしてほしいと考えています。
違う角度からの視点を学んだり、取り入れたりしてもらえると視野が広がると思うので、私の話を今後の選択肢の一つとして知っていただけると嬉しいです。
ぽん先生
会社員を経験後、柔道整復師の資格を取得し整骨院に4年間勤務。その後、鍼灸師の資格を取得し、整骨院を開業。現在は『鍼灸ボディ＆フェイスセラピースペース リーフ』を運営している。足部から身体を変える技術で不調を改善したいという想いから書籍の出版や施術家向けの足部講座など活動の幅を広げている。