セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
病院勤務からピラティススタジオ開業に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
千葉さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
千葉さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
会社員になりたくなかったことと、父親が理学療法士だったことがきっかけです!
私は一般の大学を卒業後、理学療法士養成校に入学しました。大学時代に就職活動をおこないましたが、一般企業に魅力を感じなかったんです。
本当に会社員になりたいのかと悩み、両親に相談しました。父親が理学療法士であり、進路を相談した際に「再び学校に通っても良い。」と許可をもらえたので、専門学校に入学したんです。
当時は周りの同級生が就職していくなかで、周りよりキャリア形成が遅れてしまうのではないかと焦りを感じることもありました。
しかし、両親から励ましの言葉をかけてもらい、進学に踏み切れました。今思えば、この3年間は決して無駄ではありませんでしたし、入学して良かったと思っています。
千葉さんがピラティスを知ったきっかけを教えてください!
コロナ渦で自分を振り返る時間ができたことがきっかけです!
学校卒業後、総合病院に8年間勤務しました。勉強会が盛んな職場で非常に楽しかったので、積極的に参加していたんです。
しかしコロナ渦となり、勉強会の開催が難しくなりました。週末も研修会に参加する多忙な生活を送っていた分、自分のことを振り返る時間ができ、この先のキャリアについて考えるきっかけとなりました。
何かしないといけないと思っていたところ、たまたまインターネット上でピラティスをおこなっている理学療法士の方を見つけたんです。
理学療法士の経験が生かせると知り、ピラティスについて深く調べ始めました。2020年の臨床5年目のときにピラティスインストラクターの資格を取得し、知り合いの方を中心にレッスンを始めました。
症状が改善できたことで口コミが広がり、公民館でグループレッスンも始めることができたんです。マシンピラティスもスタジオをレンタルしてレッスンしていましたよ。
千葉さんが開業しようと思った理由を教えてください!
本格的にピラティスをやりたいと思ったからです!
ピラティスの指導者資格取得後は、あまり活動的に動けなかったんです。これでは全く話が進まないと思い、上司へ1年後に退職することを伝えました。
それからSNSの更新を始めたり、起業スクールに行ったりなど覚悟を決めて動き始めています。
病院勤務時代から着々と準備を始め、課題は集客と分かっていたので、Instagramは特に注力して投稿していました。
また、早い段階から物件探しとモニターさんの募集を始めました。約1年間かけて準備をし、オープン前からご予約をいただいたことは、とてもありがたかったです。
やりながら学んでいったという感覚が強く、今も学んでる最中です。
レンタルスペースの利用も考えましたが、どうせやるならマシンも自分で購入した方が良いと思ったので、店舗での開業に至りました。
千葉さんは現在どんな事業を展開されていますか?
ピラティススタジオを運営しています!
ピラティススタジオを開業し、運営からレッスン提供までおこなっています。
お客さまは痛みを抱えた方が多くご来店されています。美容というより健康増進を目的とした方が多いです。マシンピラティスを提供しており、平均して1日5~6レッスンおこなっています。
やはり、一人で仕事をするというのは大変です。しかし、自分の成長を感じることができており、この経験は病院では味わえなかった部分だと思います。
開業して1年になりますが、この1年で臨床の8年を経験した気分です。大変なときもありますが、その分の学びは大きいです。
千葉さんの仕事に対する想いや今後の展望を教えてください!
仲間と仕事をするのが好きで、いずれは組織づくりもおこなっていきたいです!
自分のなかで、”みんなで楽しく生きたい”というモットーがあります。
学生時代に経験した文化祭の準備や、病院勤務時代にみんなで学会発表の準備をするなど、みんなで何かをやり遂げることが好きだったんです。
大切な方々と一つのゴールに向かって、一心不乱に突き進んでいく時間に充実感を感じます。今後もスタジオの運営で苦戦することもあると思いますが、苦楽をともにできる仲間が今後増やせるといいですね。
そのため、年内に一人雇用することを目標にしています。今は一人ですが、いずれは組織づくりもおこなっていきたいです。
理学療法士の経験年数が増えると、家族との時間など仕事以外にも使うことが増えていきます。
そのなかで、勉強しても評価(給与)に反映されないシステムに徐々に勉強への意欲が下がり、家庭中心の生活に落ち着いていく。それが寂しいなと思ったんです。
私も含め、現状に満足することなく勉強したいという気持ちを忘れずに仕事ができるセラピストが増えると良いですね。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
成長を楽しめるセラピストが増えてほしいです!
学ぶことや成長を楽しんでほしいです。
これも開業して気づいたんですが、お金だけではなく自分の成長のために勉強や仕事をやっているんだとつくづく感じています。
自己成長を感じられるから勉強が楽しめると思うんです。そのためにも、学びや自己成長が楽しいという環境を今後つくれたらと考えています。
成長意欲を強くもって、動いてほしいと思います。
千葉 一貴(ちば かずき)
一般の大学を卒業後、理学療法士の資格取得。総合病院で8年間臨床経験を積む。コロナ渦で今後のキャリアを考えていたタイミングでピラティスと出会う。ピラティスにのめり込み、病院に勤務しながら指導者資格を取得。現在は病院を退職し、『ピラティスRAKU』を開業し、スタジオ運営をおこなっている。