セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
病院勤務から自費リハビリ施設の開業に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
ぱらゴリさんのFilmを覗いてみましょう。
目次
ぱらゴリさんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
祖母が理学療法士の方にお世話になっていたことと、人の役に立ちたいと思ったことがきっかけです!
学生時代から漠然と人の役に立ちたいと思っていました。
当時、私の祖母が脳神経内科に通院していて理学療法士の方にお世話になっていたんです。
それから理学療法士の仕事に興味を持ち調べていたところ、人の役に立てそうだと思ったので理学療法士を目指すことにしました。
進路を考えるなかで鍼灸師も視野にありましたが、高校が進学校だったこともあり、大学に進学することを推奨されていたので大学で資格が取得できる理学療法士を選んだんです。
ぱらゴリさんが勉強や実習、現場に出て感じたことを教えてください!
勉強したことが現場で生かせたときは衝撃が走りました!
入学直後は、何もかも一からの勉強で新しいことへの挑戦が始まったなという感覚でしたね。
高校までの成績が影響することはなく、私も成績上位へ這い上がれるかもしれないという希望があったので、勉強することに対して抵抗を感じることはなかったんです。
1年生のときの実習では、臨床現場に行っても理学療法士の仕事内容が正直よく分かりませんでした。
ただ「挨拶が大事だ」と言われたことだけが印象に残っています。
しかし、3年生のときにお世話になった実習先で衝撃を受けた出来事があったんです。
その実習先は、認知症の方や神経難病の方が多い病院でした。
実習指導者の方が昼休みにも関わらず、教科書を使って神経の仕組みや位置などを詳細に教えてくださるなど親身に指導してくださいました。
身体の仕組みについて勉強してきたのはこのためだったんだと、今まで勉強したことが点と点でつながり、知識をどのように生かすべきなのかを理解できたんです。
それからは、以前にも増して勉強に身が入るようになり、神経系のリハビリにのめりこんでいきました。
実際に勤務を始めてからも印象的な出来事がありました。
最初は学校で習ったことを現場で結びつけることができず、何をやっているのかよく分からなかったんです。
ある日、上司に連れられて麻痺のある患者さまが装具を使って歩行をされている姿をみたときには驚きが隠せませんでした。
それからは、さらに詳しく神経系のリハビリについて学びたいという意欲が増したんです。
ぱらゴリさんが現在の事業に至るまでの経緯を教えてください!
病院勤務と無職期間を経て、現在の自費リハビリ開業に至ります!
臨床3年目のある日の朝、ふと仕事を辞めようと思ったんです。
特に明確な理由はありませんでした。思ったからといってすぐに伝えるべきではないと考えて3日間考えたんですが、辞めるという決断が揺らぐことはありませんでした。
上司に退職したいことを伝えましたが、すぐに辞めさせてはもらえず1年間勤務を続けてほしいと言われたので、その1年後に病院を退職しました。
また当時からオンラインサロン『はじまりのまち』の運営をしており、スタートしてから現在までもう4年目になりますが、それを本業にしていこうとは考えていませんでした。
退職後も理学療法士の仕事を続けようと思い、たまたま自費リハビリ施設の求人が出ていたので、再就職先をその施設に決めました。
ただ再就職先の事業方針に納得ができず、そのほかにもさまざまな理由がありここで働き続けるのは難しいと考えすぐに退職したんです。
学生時代や病院勤務時代は、仕事や勉強をうまくおこなえている自負があったので、転職活動がうまくいかないときは精神的にも落ち込みましたよ。
転職活動と並行して、自費リハ施設に入職する前から始めていたオンラインサロンの運営もひっそり続けていたんです。
私が新人時代に困ったことや臨床に出るときに役立つような情報を発信していたので、臨床に出ていない自分が発信し続けて良いのかという葛藤がありました。
そこを打開するために思い切って開業しようと思い、自費リハビリ施設の運営を始めました。
ぱらゴリさんの現在の具体的な事業内容を教えてください!
自費リハビリ施設、オンラインサロンの運営、SNSでの発信をおこなっています!
現在は自費リハビリ施設『Active』の運営をしており、脳卒中の後遺症でお困りの方に対してエビデンスに基づいた施術をおこなっています。
お客さまはホームページを見て来てくださる方が大半です。整形外科疾患の方や、慢性痛を改善するための施術を求めて来院される方も少なくありません。
最初から今のサービスをおこなっていたわけではなく、パーソナルトレーニングやピラティスなどにも挑戦し、いろいろな試行錯誤を重ねてきました。
しかし、やはり私は脳卒中の方へのリハビリが好きだなと気づいたんです。
以前から『はじまりのまち』というオンラインサロンを立ち上げていたので、コンテンツの配信は今も継続しています。
また4年前から『ぱらゴリ』というアカウント名での発信を始めました。
当時はSNSも今ほど普及しておらず、顔を出すのに抵抗を感じていたのでキャラクターを使って発信しようと思いついたんです。
その当時パラレルワーカーという言葉が普及しており、私もプログラミングやホームページ作成をしていました。
元々活動名で使用していた名前がゴリラだったので、かけ合わせてぱらゴリというキャラクターが出来上がったんです。
ぱらゴリさんの今後の活動の展望や活動への想いを教えてください!
心から「ありがとう」と言ってもらえるサービスを提供し続けます!
「ありがとう」とおっしゃってもらえるように、誠実で満足のいくサービスを提供し続けたいです。
需要があればスタッフも増やし、スタッフやお客さまの幸せをつくっていける店舗を目指しています。
私の施設では回数券やパッケージは販売しておらず、お客さまのご意向を大切にし無理に来院を促さないよう心がけているんです。
もちろん来ていただいたときには私にできることを全力で対応していきます。
お客さまが求めていることに対して、私にできることとできないことを明確にし、丁寧に説明するようにしているんです。
そうしてお客さまと今後の方針に相違がないことを確認したうえで、サービスを提供しています。
今ではありがたいことに、多くのお客さまが継続してご来院いただいている状況です。
オンラインサロンに関しても、心から「ありがとう」と言ってもらえるサービス提供を目指し、サロンメンバー100人を目指します。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
自分も相手も幸せになれるよう、目の前にあることを頑張ってください!
現在に至るまでに遠回りすることもありましたが、その分濃い人生を送ることができています。
どうしても目先の結果に意識が行きがちで、すぐに結果を欲しがる方が多いと思います。
私が知っている成功者の方々には、共通して長い下積み時代があるんです。正直、開業や事業は甘くなく、確固たる信念がないと継続するのは難しいと思います。
誰かが不幸になるサービスは止めた方が良いですが、人が幸せになれるサービスであればしっかり準備をして動いてほしいです。
まずは臨床の現場で経験を積み、自分にできることや興味があることを確認してみましょう。
そしてできることの範囲を徐々に拡大し、可能な範囲で病院外での活動を広げてみてください。
理学療法士は勉強の終わりがなく、突き詰めるとどこまででも追及できるおもしろい職種だと思います。
まずは、自分がこの仕事を好きだと思えるように目の前のことを頑張ってみてください。
やればやるだけ自分の人生を豊かにしていけるような職業は、理学療法士のほかにないと思っています。
まずは、目の前のことを頑張ってみてください。応援しています。
ぱらゴリ
理学療法士の資格取得後、急性期病院で臨床経験を積む。
病院を退職し、自費リハビリ施設へ入職。現在は自費リハビリ施設『Active』やセラピスト向けオンラインサロン『はじまりのまち』を運営。心から「ありがとう」と言ってもらえるサービスを提供したいという想いで日々邁進中。