セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
病院を退職後、クラシックバレエを生かしたトレーナー活動に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
中ノ森さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
中ノ森さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
祖父と担当の理学療法士さんとのやり取りがきっかけです!
私が小学5年生の頃、祖父が心筋梗塞でカテーテル手術を受けました。その後、血栓が脳に飛び、脳梗塞を併発し除細動器を用いるほどの状態にまでなってしまったんです。
祖父は元気にはなりましたが、障害が残ったのでそのリハビリで理学療法士にお世話になりました。
私は、当時子どもだったので理学療法士を知りませんでしたが、今まで涙を見せたことがない祖父が、泣きながら理学療法士の方に「ありがとう」と感謝している姿がとても印象的で、心に焼きついたんです。
私もリハビリを見学していたんですが、祖父が心の底から理学療法士の方を信頼しているのが分かりました。
そんな祖父の姿を見て感動し、私も理学療法士を目指すことを決意したんです。
実際に理学療法士になってどうでしたか?
病院によって働き方が全く違うと感じました!
就職前の長期実習で整形外科病院にお世話になったこともあるんですが、就職した病院とは全く方針が違ったんです。
その病院では、身体を細部までみて当たり前だという考えが浸透していたので、今までの経験で一番大変な実習でした。
しかしその経験を、就職した病院でも生かすことができ、今振り返ると非常に良い実習だったなと思いますね。
理学療法士の資格を取得後に就職した病院では、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの垣根がなく1人の患者さまを多職種の方と一緒に担当していたんです。
患者さまにとって、最も良い介入は何かと常に考える方ばかりだったので、とても充実していました。
理学療法士が口腔内について勉強するなど、ほかの病院では経験できないようなことを経験できたと思っています。
中ノ森さんがクラシックバレエを生かしたトレーナーを始めたきっかけはなんですか?
新しいことをしたいと思ったことがきっかけです!
病院で働いていた頃に、朝7時から8時まで1時間勉強する習慣をスタッフ間で実践していたんですが、そこで筋膜に関する勉強をする機会がありました。
それを、子どもの頃から続けていたクラシックバレエで生かせるんじゃないかと思ったんです。
同時期に結婚や出産、引越しも重なったことで病院を退職し、また別の病院で一から働くのであれば何か新しいことができないかなと思うようになりました。
もともと実家が会社を経営していて、私もいつかは同じ道を志そうかなと何となく考えていたのも理由の一つです。
クラシックバレエトレーナーについて教えてください!
クラシックバレエのトレーニングをメンタル面も含めてサポートします!
大人になってからクラシックバレエを習い始めた方々に、身体の使い方を修正したり、整体で身体の不調を整えたりしています。
パーソナルトレーニングについては、オンラインにも対応しているので個別だけではなく、グループレッスンも実施しているんです。
レッスン内容としては、理学療法士の経験を生かしたクラシックバレエの動きをより綺麗に見せるために、身体の使い方やストレッチ、筋肉のほぐし方を伝えています。
お客さまの多くは50代を超えていますが、どのお客さまも真剣に自身の身体と向き合っていらっしゃるので、受ける前と後では変化が確実に出ています。
いつも受けてくださる方から、逆にたくさんのエネルギーをいただきながら仕事ができているのでとても幸せです。
バレエの世界は特に根強いかもしれませんが、できていないことに落ち込み、自分はできない・・・とどんどん自身をなくしてしまう方もいらっしゃるので、身体面だけでなく精神面からサポートも実施しています。
うまくできない自分をほかの方と比べてしまい、自己肯定感が低い方もいらっしゃるので、そういった方のメンタル面をサポートすることもあります。
中ノ森さんの今後の活動への想いや展望を教えてください!
その方の才能を120%引き出すことで、自分の道を見つけていくサポートをおこないたいです!
どんな方でも、自身が持つ身体の才能を120%引き出すというコンセプトを掲げています。
単に私がアドバイスをおこなうよりも、その方がクラシックバレエを通して自分自身を輝かせる道を見出せるようになってほしいと思っているんです。
大好きなのにうまくいかない。もうやめたほうがいいのかな・・・と悩んでいる方をなんとかして救いたいという想いが強くあります。
クラシックバレエに限らず、一人ひとりの好きなことや続けたい事に対して、120%の才能を引き出すことが得意で、そこに関われるとどこまでもワクワクしてしまいます。
そんな一人ひとりの夢や目標を実現させていくためのサポートを、積極的にこれからも続けていきたいです。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
自分に自信を持って生きていくきっかけを提供していきたいです!
最近、独立や起業をしたい方を数名ほどサポートさせていただくなかで気づいたんですが、理学療法士などの専門職の方は、自分に自信がないことが多いんです。
自信を持つために資格を取得する方もいるので、資格に頼りすぎて縛られている方が多いと感じています。
そんな方々に向けて、生き方はさまざまで自分に自信を持って挑戦していいんだと気づきを与えられる関わり方をしていきたいです。
大学生の頃に女性でもプロスポーツ選手のメンテナンスに携わることができるかという質問をしたところ、先生からの答えは「厳しい」というものでとてもショックを受けました。
以前と比べると変化してきている部分はありますが、女性は結婚や出産などのライフスタイルが大きく変化することで、やりたいことを諦める方がまだまだ多いです。
ただ、やり方を工夫すればできることもたくさんあるので諦める必要は全くありません。
もっと好きなことややりたいことに貪欲になって、自分に自信を持ってほしいです。
私は死ぬときに後悔しないよう、”夢をカタチにする”お手伝いをしていきます。
中ノ森 知里(なかのもり ちさと)
理学療法士の資格取得後、総合病院に勤務しながら職場の有志と勉強会を開催。
現在は結婚や出産を機に退職し、クラシックバレエを生かしたトレーニングの指導やセルフケアの指導をおこなう。お客さまの才能を120%引き出すことをコンセプトに活動中。自分が関わることで納得のいく人生を歩むサポートしたいという想いを胸に、独立支援もおこない、多くの方に貢献している。