【出本 麻奈美 / 言語聴覚士】心を動かすサービスですべての方を笑顔にしたい!

【出本 麻奈美 / 言語聴覚士】心を動かすサービスですべての方を笑顔にしたい!

出本 麻奈美(いでもと まなみ)

言語聴覚士の資格取得後、現在は介護美容『Smile Life.』を開業し、
フェイシャル、メイク、ハンドトリートメント、フットケア、ケアネイルなど幅広くおこなっている。

THERA-FIL

セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。

THERA-FILって何のメディア?
THERA-FIL

回復期の病院から介護美容での起業に至るにどのようなストーリーがあったのでしょうか。

出本さんFilmを覗いてみましょう。

出本さんが言語聴覚士を目指したきっかけを教えてください!

出本 麻奈美

人と違うことがしたかったので言語聴覚士を選びました!

学生の頃、バスケットボールでけがをしてリハビリで理学療法士という仕事を知りました。それが理由で、はじめはスポーツリハなどのスポーツ外傷に関わることに興味をもったんです。

しかし、たまたま失語症関連の書籍を読み、言語聴覚士を知りました。

理学療法士を目指す友人もいたんですが、リハビリのなかで珍しいからという軽い気持ちで、理学療法士ではなく言語聴覚士を選んだんです。

専門学校に入学するまで、嚥下や飲み込みの訓練をおこなうとは考えておらず予想外でしたね。

理学療法士と比べて、言語聴覚士はできることが多いなと感じました。

出本さんが実際に言語聴覚士として現場に出てみてどうでしたか?

出本 麻奈美

言語聴覚士の仕事はすごく大事な仕事だと感じました!

専門学校時代に祖父が失語症になり、経管栄養でなにも食べられなくなりました。身近で食べたり喋ったりできない状況を目の当たりにして、言語聴覚士を選んだことに運命を感じたんです。

元々できていた食事や会話ができなくなることは、本当につらいことだと思います。

ただ言語聴覚士として、身体が動かなくなっても誰かと一緒に食事をおこなったり、コミュニケーションのサポートをおこなったりできることに非常にやりがいを感じました。

資格を取得した後の初めての現場は、回復期や緩和ケアの病院でした。その後在宅リハや通所リハも運営している病院に勤務したんです。

脳血管障害やがん、そのほかさまざまな神経難病の方、若い方から高齢者まで、たくさんの方に関わらせていただき、生きていくうえで食べることや話すことが、私たちにとっていかに重要であるかを学びました。

出本さんが自身で活動を始めるきっかけを教えてください!

出本 麻奈美

介護サービスだけだと満たされていない高齢者を目の当たりにしたからです!

最初の職場から在宅や通所リハもおこなっている病院に転職し、初めて訪問リハなどの在宅ケアにも関わりました。

はじめは患者さまの症状を改善すること、回復させることにやりがいをもって仕事をしていました。

しかし、在宅では保険内サービスだけでは楽しみを持てず、徐々に弱っていく高齢者の方が多く、私自身その現状に疑問を抱き始めたんです。

高齢者の寂しそうな印象を感じて、私が提供できるサービスにも限界を感じたんです。

この頃から言語聴覚士という枠に縛られず、トータル的に生活をサポートしたいと強く思うようになりました。

現状に限界があるなら自分で事業を起こそうと考えました。そこで何ができるかを調べていたところ、言語聴覚士の仕事と相性の良い介護美容という分野があることを知ったんです。

言語聴覚士として、早期に予防したいと考えていた誤嚥性肺炎やその前段階のフレイル予防と相性が良いと思ったんです。すぐに資格を取得しようと動きました。

調べてみて、リハビリ×介護美容で起業している方が県内にまだいないこと、企業はスピード勝負だと思ったので、当時の職場を退職し、すぐに資格取得などの起業するための準備を始めました。

まずは準備を整えて、できるだけ不安材料を消したうえで独立する方が多いと思うのですが、私はこれだ!と思い立った時点で即行動に移した感じです。

出本さんが現在おこなっている事業内容について教えてください!

出本 麻奈美

フェイシャルエステ、メイク、ハンドトリートメント、ケアネイル、フットケアなど幅広く事業をおこなっています!

介護美容の認知度がないので、まずは認知度を上げるためにビジネスコミュニティに参加することにしたんです。

出本 麻奈美 ビジコン

分からないことをどんどん聞いて教えていただき勉強しました。知名度を上げるために、ビジネスコンテストへの参加も決めたんです。

現在の現場でも月1回のイベントやファッションショーの企画をさせていただき、モニターをどんどん増やしています。

またイベント以外にも、異業種交流会やマルシェに出展してビジネスの横のつながりを広げる活動をおこなっています。

2024年5月5日には、『村上美香のヒトコト RKKラジオ』に出演させていただきました。

昔から言語聴覚士が言語聴覚士の専門領域だけしか担当しないことを疑問に考えていました。

患者さまが自宅に帰れない原因があるのならば、自身の専門領域だけでなくチーム全員がトータルでアプローチすべきだと考えたんです。その方法の一つとして介護美容は非常に有効性が高いのではないかと考えています。

出本 麻奈美 介護美容

介護美容では、フェイシャルエステメイクやハンドトリートメント、ケアネイル、フットケアなど幅広く業務を展開しています。

ルックスケアは、非常に多くのニーズがあるんです。そして今後も増えてくると感じています。

出本さんが介護美容事業に込めている想いを教えてください!

出本 麻奈美

心を動かすサービスで、すべての方を笑顔にしたいという想いを持って活動をしています!

実際の現場では、身だしなみが整わないままでリハビリをしている患者さまがいらっしゃるんです。

私自身が入院していた経験もあるし、家族が入院していたこともあるので、自分の家族が身だしなみも整えられないままでリハビリされるのは嫌だなと感じていました。

出本 麻奈美 想い

リハビリは、”全人間的復権”と定義され、人間らしく生きる権利の回復や自分らしく生きることが重要とされており、そのためにおこなわれる技術や支援など、すべての活動や考え方を指します。

しかしながら、現場では時間や業務に追われ、身だしなみなどの部分がお座なりにされてしまうことが多いんです。

私は心を動かすサービスで、スタッフや家族も含めたすべての方を笑顔にしたいという想いを持って活動をしています。

私たちがサービスを提供することによって、スタッフの負担が減ったり、患者さまの症状が改善したりして自立できるようになると、別のことができるようになる。

関わっている方々全員が楽になれることを意識しています。

レスパイト的にご家族のお話を聞いて心的負担を軽減し、リハビリ以前に人と人の関係をすごく大事にしたいなという想いを持っています。

リハビリの知識や技術をもったセラピストは、世の中にたくさんいます。

セラピスト個々の技術はたしかに重要なんですが、私がもっと重要視しているのは、患者さま自身が歩きたい、やりたいと思えるような声かけや関わりです。

患者さまの自然治癒力を邪魔しないアプローチ、気持ちを持ち上げるアプローチが大事だと思っています。

その介入ができる一つの手段として、介護美容をおこなっているんです。今はないサービスでも私たちが年齢を重ねたときに当たり前にあったらいいなと思えるサービスを作りたいです。

出本さんの今後の展望はありますか?

出本 麻奈美

介護美容をもっと広める活動に注力したいです!

もっとたくさんの地域の施設からお仕事をいただけるようにしたいです。

現在では、介護美容をおこなっているたくさんの方々とつながっています。熊本に介護美容を広め、県内で同じように介護美容活動をおこなってくれるセラピストを増やし、事業を大きくしていきたいと考えています。

私自身は介護美容をもっと広める活動に注力したいと考えています。健康教室など地域向けのイベント活動をやってみたいですね。

THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?

出本 麻奈美

やりたいことは何でもチャレンジしてください!

自分のやる気がなかったら、知識や技術も頭に入りにくいと思います。私自身、言語聴覚士として病院勤務しているときは、言語聴覚士以外の働き方や、ましてや起業するなんて想像していませんでした。

本当にこれだ!と自分の心が動くことに出会ったら、こんなにも行動的になれるんだ!ということを感じてほしいです。

誰かのために何かをしてあげたいという想いが相手を幸せにすると思います。

私自身は、資格に縛られて言語聴覚士の仕事しかできないと思い込んでいました。

しかし、やろうと思えば何でもできます。疾患や障がいのリハビリをおこなうことがセラピストの仕事ではありません。

それぞれの専門領域だけでなく、患者さまの生活や人生を全体的にみてアプローチできるセラピストを目指してほしいです。

資格は一つのツールでしかないので、それに縛られないでほしいですし、やりたいことは何でもチャレンジしてみたらいいんじゃないかなと思います。

 

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