セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
総合病院勤務から、退職し自宅サロンの開業に至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか。
大和田さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
大和田さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
スポーツに携わっていたいと思ったからです!
スポーツが大好きで、小さい頃から水泳、水球バスケットを習い、特にバスケットは小学生の頃から9年間打ち込んで、仕事でもスポーツに携わっていたいという想いがありました。
進路を決める際に先輩や周囲の方の話を聞き、スポーツトレーナーという選択肢もありだなぁ、かっこいいなぁと考えていたんです。
ですが、社会人野球で選手と監督経験がある父に相談したところ、現実はそんなに甘くない、と言われました。
またそこで、初めて「理学療法士」というワードを聞き、理学療法士になればスポーツに携われる仕事もあるということを知り、理学療法士の道を選んだんです。
実際、養成校に入ってスポーツに関わる仕事の難しさを知り、病院勤務の道を選びました。
大和田さんが実際に理学療法士になってみて、分かったことを教えてください!
回復期病院と急性期病院では、患者さまとの関わり方が大きく違うと感じました!
回復期や訪問のリハビリでは看護師や医師と比べ、理学療法士は患者さまと1対1で話す機会も多く、場合によっては患者さまの人生を大きく左右することがあります。
実際に理学療法士になり、学生の頃に教わった「リハビリの職種は患者さまにとって最後の砦」ということを、実際に感じることも多かったんです。
常にその言葉を意識して患者さまに接するようにしてきました。
就職から12年目、同じ系列の急性期病院へ異動となり、がんリハ、外科、内科、救急を中心に急性期のリハビリを担当することになったんです。
3~4年ほどICUを担当しましたが、生死を彷徨っていた患者さまが座り、歩き、食べることができるようになる過程をリハビリ職だけでなく医師、看護師、臨床工学技士などがチームで担当できることは、とてもやりがいを感じました。
ただ、当たり前のことですが、回復期のリハビリと比べ患者さまと関わる時間は短く、回復途中で転科、転院になることがほとんどだったんです。
そのなかでも、回復段階でリハビリが継続できない療養型病院へ転院せざる得ない医療の現場にもどかしさややるせなさを感じることは多くありました。
大和田さんが現在の活動をはじめるきっかけを教えてください!
足もみや食生活の改善から、自身の体調が良くなったことがきっかけです!
女性特有の症状を抱えている方がいるように、私も元々不調を感じることはあったんです。
出産を経験してから、それまでの症状に加えて特定の原因が分からない頭痛やめまい、吐き気からの嘔吐、アトピーや花粉症の悪化、今までなかった腰痛や股関節痛などの症状が出始めました。
体調が良いと思える日がほとんどないほど身体の不調が続き、私の周囲でも不調を薬でごまかしながら家事や育児、仕事を頑張っている同僚や友人が多くいました。
職場に不調を抱える方がいる場合は、職員同士が助け合いながら仕事をおこなう状況をみて、人を支える側の医療従事者がこのような状況に陥っているのは良くないと感じたんです。
そこでまず、自分自身の体調から改善しようと思い、かねてから興味があった足もみを学び、食生活も改めました。
すると女性特有の症状を含め、抱えていた身体の症状が改善していくのを実感したんです。
女性は10代からご高齢の方まで女性特有の症状がでます。
そのような症状を改善できれば薬や病院に頼らず、または頼るまでの時間を遅らせ、元気に過ごせる時間が増えるはずだという考えに至りました。
私が目指すことを実現していくには、病院に頼る前の段階でサポートする必要があるため、病院勤務を退職し自身で事業を行う決意をしたんです。
ただまだ小さい子供もいるため、時間の融通が効くことや経済的なリスクを減らせることから、店舗ではなく自宅でサロンを開業しようと決断しました。
大和田さんの現在の具体的な事業内容を教えてください!
体質改善を図ることができるサロンを2024年初夏に立ち上げる予定です!
現在も講座を受講し、施術方法を学んでいます。その講座で学んだことを生かし、元同僚女性に練習も兼ねて施術しています。
内容としては、理学療法士として培った知識に加え、東洋の考えをベースとした本格的な足もみ、かっさトリートメント、よもぎ蒸しを中心とした施術です。
生活習慣やセルフケアについての指導もさせていただくことで体質改善を図ります。2024年の初夏には、自宅サロンを開業する予定で、現在準備中です。
開業後は、まず自分の身体と心を大切にしたうえで自宅で一人ひとりの女性に真摯に向き合いながら施術をしていこうと考えています。
自宅サロンから始めた後は、少しずつ事業を拡大していく予定です。
現在の活動への大和田さんの想いや信念を教えてください!
頑張りすぎる現代女性が、今の不調よりも健康を手に入れた先のことに目を向けられるよう一緒に並走し、サポートしたいです!
現代の若い女性は、生理痛はあって当たり前というくらい薬でコントロールしながら勉強や部活、仕事を頑張っている方も多く、結婚後は不妊の症状で悩む方も多いのが現状です。
また出産後は、不調や不眠と戦いながらも命を守り育てるという重大ミッションをこなしています。
そして、忙しい日々を過ごしていくうちに、身体への負担がかかることで徐々に自律神経のバランスを崩す方も多いと思います。
場合によっては、子宮筋腫のような疾患や更年期障害、閉経後は関節痛などのさまざまな身体の不調を抱えてしまうことになります。
そのような忙しい女性に、まずは『mine』を大切にしてもらいたいという気持ちが強いです。
『mine』とは自身のものという意味で、ご自身の身体や心、時間、選択、生き方などを指します。
自分で選択した方法で自身の身体と心の不調を手放し、元気な身体で何をしたいか。そんな明るい未来を一緒に叶えられるよう、頑張りすぎる現代女性を支える存在になりたいです。
THERA-FILを通して伝えたいことはありますか?
今いる場所を離れ、自分のやりたいことをやってもいいと思います!
私も以前は普通だと思っていましたが、病院というのは閉鎖的で年功序列の世界です。
病院が守ってくれる代わりに、自分がおこなってきた仕事に対して正当に評価されているか。それがお給料にも反映されているか。と疑問に思うこともありました。
中堅になってくると仕事においてさまざまなことを要求され、自分が本当にやりたいことをできないこともあります。
だからこそ今いる場所を離れて、自分のやりたいことをやってみるという考え方があっても良いのかなと思います。
国家資格を持っているというだけでも選択肢は広がっていますし、とりあえずやってみて、やりながら軌道修正やブラッシュアップをしていくことも考えて挑戦してみてください。
大和田 尚子(おおわだ しょうこ)
理学療法士の資格取得後、回復期と訪問リハを中心に11年間総合病院に勤務。その後、急性期を中心に7年間勤務し、退職。
自分の身体や心、時間、生き方など自分のもの『mine』を大切にしてほしいという理念のもと、現在は自宅サロン開業に向けて準備を進めている。