セラピスト取材メディア『THERA-FIL』は、平均寿命ではなく健康寿命を延ばすために、病院以外で本当の健康を届けるために活躍しているセラピスト(Therapist)を1つの記事(Film)として取り上げています。
自律神経ケアセラピストとして活動するに至るまでにどのようなストーリーがあったのでしょうか?
池間さんのFilmを覗いてみましょう。
目次
池間さんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください!
安定職かなと考えていたからです!
元々、安定した職業に就きたいと思っていたので公務員を目指していたんです。ただ、公務員がどのような仕事をしているのかイメージが湧かなかったですし、知りませんでした。
公務員の次に安定職で思いついたものが医療職でした。医療職のなかでも放射線技師を目指そうと思ったんですけど、当時はあまり先のことを考えていなかったのでいけるだろうという感覚で受験し、見事に落ちたんですね。
その後、どうしようかなと悩んだ結果、理学療法士という職業に行き着きました。学生時代にハンドボールに取り組んでいたんですが、腱鞘炎になってしまったんです。ただ、理学療法士の先生のおかげでなんとか試合に出場することができた経験があったことを思い出しました。
また、スポーツ分野に関わっていきたいなと思いもあったので、沖縄に開校したばかりの養成校に一度チャレンジしてみようと思い、受験しました。今度こそ合格することができ、それから本格的に理学療法士の道を目指しました。
実際の現場はどうでしたか?
学生時代より臨床に出てから理学療法士としてのやりがいを感じました!
養成校に通っていた4年間は、正直勉強や実習へのやる気があまりなかったんですよ。実習に行ったときも辞めたいと思っていました。
理学療法士の資格を取得してからのほうが楽しかったですね。初めて勤めた職場に有名なセラピストの先生がいらっしゃったんです。その方は、臨床家としての技術が秀でていて、どんな症状でも対応できるんじゃないかと思えるほどすごい方でした。
「とにかく理学療法士は結果を出さないといけない」という考えを持っていらっしゃった先生で、その方のもとで学んでいたら、次第に理学療法士としての仕事が楽しくなってきたんですよね。
池間さんが独立したきっかけを教えてください。
転職を機に収入が減ったことが大きいですね!
資格取得後に2つの病院で勤務した後、整形外科クリニックに5年ほど勤めていたんです。整形外科クリニックに入職する頃には、私は、臨床10年目に入っていました。
転職をきっかけに給料が下がるのは把握していたんですが、年収でいうと数十万くらい下がり、私の想定以上だったんです。家も建てたばかりで、子供も3人目が産まれるタイミングだったので、これはやばいと危機感を感じました・・・
正直、10年間臨床を必死に頑張ってきたのにも関わらず、なんで頑張りが評価されない体制なんだろうとは思いました。
ただ、整形は私が関心があった分野だったので、お給料が下がったとしても病院に戻ろうという気持ちはなかったです。
かといって、自分の理想ややりたいことだけ押し通すと、現実の生活が厳しくなるので副業や自身で収入を得る手段を持つ必要があるなと思い、現在の活動に至りますね。
池間さんの現在の活動について教えてください!
自律神経系の症状改善を目指した整体サロンを経営しています!
当初は、週末開業のような形でスタートさせました。クリニックで勤務しながらだったので、あまり力も入れてなかったんですけど、どこかで踏ん切りをつけないとと思い、半年後に辞めると伝えてから本格的に活動を始めました。
整体事業をおもにおこなっていたのですが、特にコンセプトは何も設けずに知り合いから声が掛かれば施術をするという形でおこなっていました。
本格的に取り組み始めてからは、ランナーのけが予防を目的とした発信をおこなっていたんです。自分なりに頑張って取り組んでいたんですが、思ったように上手くいかずに悩んでいました。そんなときに工藤さんと出会いコンサルをお願いしたんです。
それからコンセプトをランナーケアから自律神経のケアに変更し、その3か月後に自律神経専門の整体サロン『physio整体サロンsmile RUN』を開業しました。
初めはWワークでデイサービスでパートしながら整体サロンを運営していましたが、徐々にお客さまが増えて、しっかりと利益を出せるようになりました。工藤さんには感謝しかないですね。
整体の目的としては、疲労回復をメインでおこなっています。元々、私自身の身体が強いほうではなく、疲れやすかったんです。だからこそ同じような悩みを解決したいと思っています。
そのほか、自律神経症状である不眠や肩こり、頭痛で悩んでいる人のケアをおもにおこなっています。
まだまだ回数は少ないですが、自律神経系や肩こりなどのセルフケアをその分野で活躍されている方とコラボしてセミナー活動にも取り組んでいます。
自律神経ケアへの池間さんの想いを教えてください!
頑張りたくても頑張りきれない方たちのサポートをしたいです!
私自身が身体が強くないことに加えて、精神的にとても辛い時期があったんです。燃え尽き症候群にも近いですが、自分なりに頑張っていたときに上司から「お前はこんなんだから伸びねぇんだよ」と言われたときがありました。最初は、負けないぞという想いで仕事をしていたんですが、何度も言われ続けるうちに「自分がダメなのかな」という思考になってしまい、落ち込んだことがあったんです。
そういうこともあり、自分が好きなことやろうと思って開業の道を選んだというのはあるんですけど(笑)
精神的に辛い時期を経験したからこそ、身体の不調だけでなく、精神面で辛い思いをしている方に対して、身体と心の両面からトータルで見ることで、頑張りたくても頑張りきれない方々の健康をサポートしていきたいという想いがあります。
また、沖縄では整体・整骨院での治療を受けて望む結果を得られる施設も多くありますが、一時的な変化だけで満足のいく効果が得られない整体・整骨院もあるんです。そういった場所に限って、無理に継続を勧めるなどクライアント寄りではない印象です。
不調で悩まれている方が、変化を実感して安心できる。未来に希望が持てる。そんな整体サロンを増やしたいという想いがあります。
そのために店舗展開をして、整体事業を通して地元へ恩返しをしていきたいとも考えています。
事業を通して伝えたいことはありますか?
自分のやりたいこと、夢中になれることを続けてほしいです!
理学療法士の働き方が昔と比べると大きく変わってはいますが、独立したいと思ったとしてもまだまだ周囲の方から反対されたり、心配されたりすると思うんです。ですが、それをあまり気にせずに自分のやりたいこと、夢中になれることに集中して継続してほしいです。
この”継続できること”がとても大事だなと思いますね。瞬発的にこれが今流行っていて、ニーズあるからやってみようかなと頭に浮かぶことはあると思うんです。それが自分のやりたいことであれば問題ないと思います。
ただ思いつきで始めても、継続が難しいと思うので、自分の軸を持って、やりたいことにとことんエネルギーを注いでそれを継続して、自分らしい働き方をしてほしい。
この想いがみなさんに届いてくれると嬉しいです。
池間 圭祐(いけま けいすけ)
資格取得後、回復期病院や整形外科クリニックなどで15年間勤務。クリニックに在籍中に、副業で整体事業を始める。現在は、自律神経のケアをコンセプトとした『physio整体サロンsmile RUN』を経営。自身の経験も踏まえ身体と精神面の両面から健康をサポートするために日々活動中。